夜を描いたいい絵本
みやこしあきこさんと言えば木炭で描いた絵本『もりのおくのおちゃかいへ』が有名だけど『よるのかえりみち』っていう絵本を見つけて、これがまたすんばらしいの!
「私、こういうの探してたのよ」と思わずつぶやいたもん。うさぎの坊やがね、母さんの背中におぶられて、夜の帰り道を歩きながら通りの家々の窓を覗いていくのよ。その窓からいろんな暮らしが一瞬垣間見えるわけ。そういう窓の外側から額縁のように切り取られた暮らしを見るって、どうにもこうにも幸せしか見えないのよねぇ。
時々、夜歩いてて、網戸越しに蛍光灯の煌々とついた窓からテレビの野球中継かなんかチラリと見えてさ、テレビの反対側にはやっぱりっていう感じでランニング姿のおじいちゃんがのんびり座ってたりしてんのが見えて「ああ、ここにも小さな幸せがあるなぁ」なんて思いながら、他人事なのにしみじみいい気分になったりしたことある。ああいうの、窓の内側にいると日常だからさほど気づかなくて、窓の外側から客観的にあらためて見ると不思議とどの家だって幸福そうに見えちゃうんだよね。本当はいろいろ問題も抱えているのにさ。そういう窓の外側から見つめる、想像する日々の暮らしっていうコンセプトがもう本当によくて、私好みなのよね。ほら、エッセイを絵本にしたようなのが好きなの。あんまり事件のない、日々の暮らしをありがとうってやつ。Amazonのコメント欄にひとりだけ動物じゃない方がもっと共感できるって書いてた人がいて、私もその意見には同感で、その人がすすめた絵本にイブライスの『おやすみなさい』というのがあって即買いした。絶版で市内の図書館になく中身を点検できなかったけど賭けてみた。たぶん、いい絵本だろう。今から楽しみだ。
by zuzumiya
| 2018-09-08 19:00
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ふだんの暮らしに息づいているたいせつなもの、見つめてみませんか?
by zuzumiya
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