手研ぎ男、保育園に現る
今日、園庭遊びの追いかけっこで手研ぎ男になってみた。
手研ぎ男とは私の本『夫婦いとしい時間』の中で元夫が子供たちと戦いごっこをする時に登場させた片手が鋭く長い刃物の怪人である。
子供たちを追いかけ、ジャングルジムに追い込む。ジャングルジムの升目を障子の升目に見立てて手研ぎ男の鋭いナイフがグサッと刺していく。グサッ、ズボッとやるたび子供たちが奥の方に尻込みしながら「きゃあああ」と嬉しいんだか怖いんだかわからない悲鳴をあげる。そのうち、勇気のあるのが一人、出口から逃げ出す。「シャキーン」と言いながら手研ぎ男がナイフの手をこれ見よがしに研ぎながら追いかけていく。「ザッ、ザバッ」途中で空を切るアクションも忘れない。子供はぎゃあぎゃあ言いながら必死に逃げていく。カマキリの鎌のように片腕を振り上げては逃げていく子供に切りつける。必死に走って子供はまたジャングルジムに逃げ込む。逃げ込むたびにジャングルジムの横棒におでこを2度もぶつけているが泣いてる暇はない。
「そんなこんなですんげー疲れた。でも子供にはウケるよ」
と元夫に笑って言ってやりたかったが、言えなかった。深い意味などないのだけれど。
by zuzumiya
| 2018-09-06 21:45
| 日々のいろいろ
|
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by zuzumiya
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