サービスってやつは。

今日トイレでひとり、サービスというものの本質をしみじみと考えた。
若い頃からの習慣で私はパンティライナーを愛用している。中年の今は身も心も枯れ果てて使い続ける理由なんぞないのだが、ああいう清潔に関わるものは一度使い始めるとやめる理由が見つからないものだ。いや、もう少ししたら、もしかしたら尿漏れ対策に少しは役立つかもしれないが。
で、今日もトイレでライナーを使おうとしたら、なんと台紙の余白に「たまには息ぬきしよう!」と書かれているのを見つけた。「おおっ、こんなところにこんなメッセージが!」と驚いた私は置いてあるすべてのライナーを一枚一枚調べてみた。すると「今日もすてきな一日になりますように」とか「笑顔でいることがキレイの近道」などと書かれているものが見つかった。メッセージは全部に書かれているわけではないようで、だいたい10枚くらいに1枚の割合で見つかった。このレア感がいい。私みたいにふとした時にひょっこり目にする。そういう時のメッセージは不意打ちなので心にストンと落ちる。考えてみると私はトイレでいちばんため息をつく。「あーあ」とため息をつきながらおもむろにライナーのパッケージを開いたら「たまには息ぬきしよう!」なんて文字が出たもんだから、心の底に沈めて素知らぬ振りをしていた疲労感や孤独感がじんわり浮き上がり、「そうか、いいのか、そんなに強がらなくても」という気になった。こういうささやかな、でもちゃんと人の気持ちを考えたサービスは実は素晴らしい。サービスって人をほんのささやかな幸せに導くことなんだよな、なんて思う。コアラのマーチの中に一個だけ違った奴がいるとか、見つけるとラッキーってうれしくなるあの感じ、あれは企業側からの立派なサービスなのである。
昔、シャンプーとか洗剤の取り替えパックの注ぎ口が改良されたというCMを見た時、「そんなささいなことより値段を下げろよ」なんて毒づいたことがあったけど、実際、取り替えパックの不便さ(液漏れと注ぎ切るまでの時間)はよーくわかっていて、風呂場でまっ裸でじっと注ぎ切るまで待っているのは悲しくなるくらい情けないものである。面倒くさい時は容器に移さずパッケージを折って洗濯バサミでとめていたほどであった。で、改良パックを使ってみると、ほんとうに注ぐのがラクなのである。注ぎ口をストロー状にする程度のささやかなサービスがこんなにもありがたいものとは、あの時も深く胸を打ったのだ。サービスとは大それたものでなくてもいいのである。日常にほんのちょっとのささやかな幸せを与えてくれさえすれば、私たちはまたにっこりと笑って前を向いて生きていけるのである。




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by zuzumiya | 2018-05-10 21:49 | ちっちゃい器で生きていく | Trackback | Comments(0)
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