窓の灯り
家々の窓の灯りを見るのが好きだ。たとえ、その内側で家人たちのいろんな揉め事が起きていようと、たぶん、問題を抱えていない家などないんだろうが、あの橙色の窓の灯りはいつだって平和にしか見えなくて、見上げる私の心を癒す。台所の小窓の蛍光灯に照らされて洗剤やら鍋釜やらがぼんやり見えているのもいい。夏場などそよぐレースのカーテンの隙間からテレビの画面がチラリと見えるのもいい。ああ、あの中でみんないま暮らしてるんだな、もし、私がここの家の奥さんだったらどんな家族を持ってどんな人生を送っているのかな…。そんな他愛もない想像をしながら歩いたり、自転車をこいだりする。坂道を上ると我が家が見えてきて、玄関に灯りがついている。玄関の灯りは帰ってくる家人への「お帰りなさい」の灯りである。離婚後も何故か一緒に住むはめになって口も利かない二人だが、互いに玄関の灯りだけはつけているというのも不思議な話だ。
by zuzumiya
| 2018-04-08 12:01
| 日々のいろいろ
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by zuzumiya
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