発表会

前にも書いたが、私のいる3歳児クラスには今年度どういうわけか多動や自閉などの発達障がい児やグレーが多く、特別な配慮の必要な子どもが26名中、7、8名はいる。なのに担任2人と非常勤のパート2人で保育をしている。ただでさえ手のかかる3歳児なのに人手不足の昨今、事務所側も「4人でやれ」と譲らない。
時は発表会のシーズンである。カナータイプで知的遅れもある自閉の子どもははなから参加は無理。周りも求めていない。問題は多動児の方である。音楽や歌や絵本のお話が決して嫌いではない子だが、ステージの上での練習を日によって皆と一緒にやれたり、やれなかったりがある。自閉児は教室で自閉児なりに好きな遊びをしてその時間は過ごすことを許されている。多動児はそこへホールから出される形で(騒がしくしてしまったり、走ったりしてしまうのだろう)入ってくる。自閉児を教室で見ている私は多動児の興奮(棚の上に上ったり奇声をあげたりする)を鎮めるためにオモチャを出したり遊びに誘い込む。その方法で多動児とマンツー的に遊んでいることが多かった。それについて、担任から小言やこうしてほしい的な発言はなかったのである。
ところが明日は発表会の総練習。発表会当日に向けての様々な段取りを確認し合う日である。残念ながら多動児の親と担任の折り合いは最初からうまく行ってない。そういうところにもってきて発表会というハレの舞台に親が見ている前でどういうタイミングで多動児を(言い方が悪いが)引っ込めるかが心配の種であった。最近もいろんな誤解や曲解で担任たちは親対応にほとほと疲れ果て、対応は園長がするようになった。そんななか、担任や園長や主任らがどうするかを話し合ったとは思う。今日、改めて練習日当日の多動児の対応について担任から私に話があった。
「本来はやれる力がある子ども」という理由と「知的な遅れはないので、教室に行けば先生が好きな遊びで楽しく遊んでくれることが分かってしまうズル賢さがある」ため、私の対応はいつもとは真逆のものを求められてしまった。すなわち、「今は発表会の練習の時間なのだから、教室に来ても先生はあなたとは遊べません」と毅然とした態度で跳ねつけろとの指示である。いつもは楽しく遊んでいて、である。つまり、そのいつもというのは言うなれば、健常児の練習をクラスとしてきちんとまとめ上げたいという気持ちが担任に優先順序として先にあって、その和を乱す者はとりあえず出て行って、ということで教室に戻されていたにすぎないのだと思う。何とかクラスを見栄えよくまとめ上げた今になってようやく、戻された多動児の対応の方に気が向いたのであろう。多動児に対するいつもの対応とは全く真逆を、遊んでくれてた先生が遊ばないと言い切るいささか冷淡な対応を急にせよというのだから、私も多動児も混乱するのは目に見えている。嫌だなぁと思う。それなら最初からそういう風に指導すべきだったのではないか。「主導権を子どもに譲らない」とは担任のよく口にする言葉であるが、私もここのところはいつも迷うところである。自由保育出身の私には何となくどこかが違うような気がする。でも、まだうまく反論できない。多動児といっても多動に包まれた独特な我儘さがある子どもだとは思う。すべての問題行動を多動のせいにできない、という気はする。大人が言うなりになってはいけないのはようく分かっている、納得できる。その反面、発表会のハレの姿を作り出そうと躍起になるあまり(それは担任の指導力の見せ場でもある)またいつものように一斉保育の「みんなと一緒に早く同じようにする」の悪い癖が出てしまっていないか、とも思うのだ。本当なら障がい児を受け入れ、奇声を発しようと歩き回ろうと統合保育を胸を張って実践しているのなら、親も子もこれもしょうがないことと思って見守る必要がある。どこかに無理強いはしないと表向きはしつつも、和を乱す者は隠せ的な気持ちがあるような気がしないでもない。
親がたくさん見にくる発表会。園としても見せ場であることは充分に分かっている。こんな中途半端な気持ちでは憂鬱なばかりだ。


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by zuzumiya | 2018-02-08 21:06 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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