階下のクシャミ
さすがに寒中だ。日本列島全体を非常に強い寒波が覆っているという。日本海側はもちろん、名古屋など近畿地方でも雪が降っているらしい。東京も朝方は晴れていたが午後になってどんよりと曇ってきてしまった。日差しがないだけで寒さがずいぶん違う。
昨日から少し喉が痛んでいる。保育士の職業病か喉からまずやられる。離れて住む娘からはインフルエンザのB型になってしまったとメールが来た。午前中に駅前の眼科と図書館から帰ってきてからは電気毛布を仕込んだベッドに横になり、ファンヒーターをがんがんつけて静かなピアノ曲を流しながら、休日のお楽しみの本を読んでいる。川本三郎の『あのエッセイこの随筆』が面白い。永井荷風が焚き火を好んだとか、大佛次郎が生涯に猫を500匹飼ったというのを見つけてニンマリする。さっき立て続けにクシャミが5回も出た。どうやら本格的に風邪を引き込んだようだ。そのあと面白いことにしばらくたって、今度は階下の夫の部屋の隅からやっぱりクシャミが立て続けに3回、くぐもった音で聞こえてきた。窓の外は曇り空。ガラスの下半分の結露が朝からまだ乾かずにある。洗濯物が揺れているから外は風も吹いてますます寒そうだ。久しぶりの冬の曇天の薄暗さのなかにいて、階下の家人のクシャミの、そのくぐもった音に妙に冬らしい人の温みをのどかに感じている。
by zuzumiya
| 2017-01-14 13:34
| 日々のいろいろ
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by zuzumiya
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