ドラマ「ハンニバル」のクラシック音楽を探すには
人生は暇つぶしの連なりと思っていたが、ほんとに人って次から次へと暇つぶしのネタを探しだすものなのだ。今、私がハマっているものはアメリカのドラマ「ハンニバル」である。我が家はhuluに入っていてドラマも映画も月980円だかで(夫が支払っているから詳しくは知らない)見放題なんだが、どっかのテレビ番組でそのhuluのドラマでいちばん人気なのが「ハンニバル」というのを知ったのだ。アメリカのドラマの質が映画並みに高いのは知っていたが、飽きっぽいのでシーズンが続くとじきに付いていけなくなる。「プリズンブレイク」なんかはシーズン1は寝食を忘れて夢中になって見て、シナリオの巧さに夫と熱く舌戦を繰り広げたものだったが、シーズン2の途中かなんかで、たぶん3には達していないと思うが、どういうわけか急に見飽きてしまった。シリーズ化していくうちにドラマのどこか、制作側の心理かどうかわからないけど、上手に保っていた緊迫さがたるんでいくような、おそらくは「この辺でやめておけば」という頂点を視聴率への慢心や続ける使命が見失わさせ、迷いながら新たに始めた展開で前作にはない微かな違和感と冗長さがあり、ついていけなくなっていくんだと思う。そういうのが「ハンニバル」にあるのかないのかわからないが、飽きないうちは日々の娯楽、人生の暇つぶしとして存分に楽しんでいようと思う。
アンソニー・ホプキンスの「羊たちの沈黙」から既に私はどういうわけかハンニバル・レクター博士に惹かれていて、映画の方も3部作は全て見ている。私は世の女性の好みには大雑把に分けて、マッチョで野性的な狼男派と知的でハンサムな吸血鬼派とがあって、私は断然、吸血鬼派なんだが、レクター博士は吸血鬼派に属するだろう。孤高な外科医であり精神科医であり、すこぶるインテリで芸術に造詣が深く、美食家で貴族的な品のあるお方なのである。ただ食するその肉が人を殺めた人肉であり、人肉を自ら料り食することに最も生の愉悦を感じてしまうサイコパスなのだ。で、今回のドラマのレクター博士はマッツ・ミケルセンという金髪のデンマークの役者なんだが、この人の毎回のスーツ姿も惚れ惚れする(すべてオーダーメイドらしい)が、料する時のワイシャツ姿の腕まくりなんかはすこぶるセクシーで、その肉が人肉であることを忘れるほど見とれてしまう。博士は人知れず殺人を犯し、その人肉を使った料理で食事会を開き、時にFBIの捜査陣をも招くが、その際にかかるクラシック音楽が毎回素敵で、美しくて物憂い感じのピアノが低く流れる。レクター博士といえば映画でもバッハの「ゴルドベルグ変奏曲のアリア」が有名だが、ドラマではネットで調べてみるとバッハだけでなくモーツァルトやショパンもかかっているようだ。「この曲いいな」と思ってもクラシックに詳しくない私はタイトルに行き着けない。それで毎回とても悔しい思いをしてきた。特にシーズン2の第3話「八寸」の中の始まって37分だったか35分だったか、食事のシーンではないのだが、レクター博士やFBIの捜査官のジャックや囚われ身のウィルがそれぞれの場所で物思いに耽るシーンで流れるアンニュイなピアノ曲がとても好きでタイトルが知りたいが、いくらネットで調べてもそこまでオタッキーなものは出てこない。夫に相談するとスマホのアプリで「はなうた」というのがあって、鼻歌で歌えばその曲のタイトルを見つけて教えてくれる便利なものなのだそうだ。試しにそのシーンのテレビ画面にスマホを向けて音楽を流してみると、しばらく経って、曲のタイトルと収録されているアルバムの画像が出た! ショパンの「24の前奏曲(プレリュード)」の中の第4番ホ短調だということがわかった。わかったときはもう嬉しくて嬉しくて。早速、アマゾンでCDを検索し、試聴すると短調はどの曲もいい。購入を決めた。その際、ショパンのこの「24の前奏曲」がバッハの「平均律クラヴィーア曲集」に影響されていることを知り、YouTubeでバッハの方を聞いてみると、なんとバッハの方がより私好みだとわかり、そちらも買おうと思っている。こうやって、好みのドラマから好みの音楽へと行き着くのはとてつもない達成感がある。運命のようなものを信じたくなる。人生がたとえ壮大な暇つぶしであると分かっていてもこの深みにどっぷりハマることこそまやかしだろうと快楽なんだと、これぞまっとうな金の使い方なんだと思ってしまう。
レクター博士の部屋のしつらえも素晴らしい。特に白地に赤の太いラインのカーテンなど見る者に静かな恐怖を与える。ああ、こんなこと書いていられない、続きを見なくては。
アンソニー・ホプキンスの「羊たちの沈黙」から既に私はどういうわけかハンニバル・レクター博士に惹かれていて、映画の方も3部作は全て見ている。私は世の女性の好みには大雑把に分けて、マッチョで野性的な狼男派と知的でハンサムな吸血鬼派とがあって、私は断然、吸血鬼派なんだが、レクター博士は吸血鬼派に属するだろう。孤高な外科医であり精神科医であり、すこぶるインテリで芸術に造詣が深く、美食家で貴族的な品のあるお方なのである。ただ食するその肉が人を殺めた人肉であり、人肉を自ら料り食することに最も生の愉悦を感じてしまうサイコパスなのだ。で、今回のドラマのレクター博士はマッツ・ミケルセンという金髪のデンマークの役者なんだが、この人の毎回のスーツ姿も惚れ惚れする(すべてオーダーメイドらしい)が、料する時のワイシャツ姿の腕まくりなんかはすこぶるセクシーで、その肉が人肉であることを忘れるほど見とれてしまう。博士は人知れず殺人を犯し、その人肉を使った料理で食事会を開き、時にFBIの捜査陣をも招くが、その際にかかるクラシック音楽が毎回素敵で、美しくて物憂い感じのピアノが低く流れる。レクター博士といえば映画でもバッハの「ゴルドベルグ変奏曲のアリア」が有名だが、ドラマではネットで調べてみるとバッハだけでなくモーツァルトやショパンもかかっているようだ。「この曲いいな」と思ってもクラシックに詳しくない私はタイトルに行き着けない。それで毎回とても悔しい思いをしてきた。特にシーズン2の第3話「八寸」の中の始まって37分だったか35分だったか、食事のシーンではないのだが、レクター博士やFBIの捜査官のジャックや囚われ身のウィルがそれぞれの場所で物思いに耽るシーンで流れるアンニュイなピアノ曲がとても好きでタイトルが知りたいが、いくらネットで調べてもそこまでオタッキーなものは出てこない。夫に相談するとスマホのアプリで「はなうた」というのがあって、鼻歌で歌えばその曲のタイトルを見つけて教えてくれる便利なものなのだそうだ。試しにそのシーンのテレビ画面にスマホを向けて音楽を流してみると、しばらく経って、曲のタイトルと収録されているアルバムの画像が出た! ショパンの「24の前奏曲(プレリュード)」の中の第4番ホ短調だということがわかった。わかったときはもう嬉しくて嬉しくて。早速、アマゾンでCDを検索し、試聴すると短調はどの曲もいい。購入を決めた。その際、ショパンのこの「24の前奏曲」がバッハの「平均律クラヴィーア曲集」に影響されていることを知り、YouTubeでバッハの方を聞いてみると、なんとバッハの方がより私好みだとわかり、そちらも買おうと思っている。こうやって、好みのドラマから好みの音楽へと行き着くのはとてつもない達成感がある。運命のようなものを信じたくなる。人生がたとえ壮大な暇つぶしであると分かっていてもこの深みにどっぷりハマることこそまやかしだろうと快楽なんだと、これぞまっとうな金の使い方なんだと思ってしまう。
レクター博士の部屋のしつらえも素晴らしい。特に白地に赤の太いラインのカーテンなど見る者に静かな恐怖を与える。ああ、こんなこと書いていられない、続きを見なくては。
by zuzumiya
| 2016-10-23 12:08
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