プライド、捨てられますか?
80年代、編集長として雑誌『オリーブ』の黄金期を築いた淀川美代子さんが何かで仰られていた言葉に「プライドを捨てる」というのがあります。淀川さんといえば『オリーブ』で衣食住や文化において、今の「ガーリー」へ通じていく少女趣味の基礎を築き、その後『an an』の編集長になり、80万部の驚異的なヒットを出された方です。そんな素晴らしい業績を残してきた方が新しい仕事にとりかかる際にはまずは「プライドを捨てる」というのです。実は今日、仕事の能率のことで同僚の子と話をしていた時に、彼女が「自分は仕事が遅いのを苦にしていた時期もあったけれど、今はみんなにそう思われてもいいから誰かと比較せず、できない自分を自分で受け入れて、その上で仕事だけに集中して頑張っていくしかないと思ってる」と話してくれました。その話を聞いて、いつも沈着冷静に見えた彼女に人知れずそんな悩みと葛藤があったのかと驚きました。うまくできない自分を受け入れる。悔しくて情けないけれど、そこを引き受けて1から始める、出直す。年下なのに偉いなあと思いました。できない自分はほんとの自分じゃないはず、環境や人のせいにして爪の先ほどのプライドにしがみつく場合が多いというのに。逃げないで「これが今の自分」と引き受けて「じゃあ、ここからどうするか」とあらためてチャレンジしていく。なかなかできることではありません。彼女のそんなまっとうな言葉を聞いて、年甲斐もなく話した自分の愚痴が少し恥ずかしくなりました。
by zuzumiya
| 2011-05-07 23:00
| 日々のことづけ
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by zuzumiya
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