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戻れないけど進んでも行けるよ~ハナレグミ『深呼吸』

a0158124_14315381.jpg是枝監督の『海よりもまだ深く』の音楽を担当したハナレグミ。
シングルCD『深呼吸』が今日、届いた。
映画では最後のテロップが上ってくるなか、静かに流れてきてジーンときた。
メロディはもちろんのこと、歌詞がこの映画のテーマそのもので、まったく大人泣かせだ。
夢見てた頃の少年の「ぼく」と今の「ぼく」。
時が経ち、遠くかけ離れてしまった二人。
夢見ていた頃の「ぼく」から見たら今の「ぼく」はどんなふうに見えるだろう。
瞳を閉じて呼んでみる。「おーいおい」まだ君を覚えてるよ、忘れてなんかいないよ。
どんなに「ぼく」がぼく自身を信じきれない時があっても、
あの頃の「ぼく」だけは未来のこの「ぼく」をずっと信じ続けていてくれたんだよね。
手放すことなどできないから、あと一歩だけ前に進んでみるよ、もう一歩だけ。
そんな内容なんだけど、切なくて切なくて、「おーいおい」に心がふるえて泣きそうだ。
特に私が好きなのは、昔の自分だけは未来の自分を信じて生きていたんだというところ。
そうだよなぁ。夢って、未来って、そういうもんだったよなと思い出した。今よりずっと悪くなるなんてこれっぽっちも考えてなかったよな。おめでたいことに、いいことがいっぱい、楽しいことがいっぱい起こるんだろうなって漠然と思ってたよな。大人になれば今よりずっと自由で好き勝手できるんだと憧れてたんだよな。
あの頃の、子どもの頃の私にタイムマシンで会いにいけたら、何て言おうか?
たぶん。それでも、たぶん、こう言うんじゃないかな。
「生きてろよ」って。「いいことも嫌なことも起こっちゃうけど、大丈夫だよ。それなりに越えていけて、シアワセに面白くやってるから」



※映画のサイドストーリーになっているMVもとてもジーンときます。「戻れないけど進んでもいけるよ」というやさしい物語です。映画も音楽もMVも何から何まで好きすぎて困っちゃう。
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by zuzumiya | 2016-05-25 14:32 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)

なりたい大人になれなかったけれど〜『海よりもまだ深く』

a0158124_22553173.jpg是枝裕和監督の最新作、『海よりもまだ深く』を見てきた。
すごく良かった。監督の作品の中でも『誰も知らない』に次いで好きな作品となった。なりたい大人になれなかった大人たちが、こんなはずじゃなかったという人生をそれでも懸命に生きていこうとする話。
阿部寛演じる15年前に文学賞をもらったきり、鳴かず飛ばずの自称作家という設定やら、ロケ地が当時別居状態の夫がひとりで住んでいたK市の公団団地という縁やら、音楽を好きなハナレグミが担当しているやらで、個人的に強い思い入れがあって公開後すぐに劇場に足を運んだ。
団地の部屋や外回りが映るシーンでは、撮影隊が来ると言ってはしゃいでいた一昨年の自分たち夫婦(当時は有給を夫の休みに合わせてとり、夫の家に泊まりに行っていた)が思い出され、物語の阿部寛と真木よう子演じる元夫婦と重なって切なくなった。台風の夜にたまたま元家族が樹木希林演じる祖母の住む団地で過ごすはめになって、台風一過と共に親子や夫婦や家族のいろんな思いが収まるべきところに収まっていくという筋書きになっている。
阿部の演じる良多という男は妻に見限られ離婚したにもかかわらず未練タラタラで、自分の状況は何も変わっていないのにやたらと家族の修復を望んでいて、でも妻の響子の方は新しい恋人もできて息子と共に新しい家庭を築いていこうと未来に目を向けている。そのどうにも噛み合わない男女の気持ちのずれが切なかったし、良多の母親である樹木希林演じる祖母が最後までダメな息子を思って夫婦の修復を願っていて、それら各々の気持ちの渦巻く感じが閉じ込められた台風の夜にあって、最後の情のぶつかり合いのような、確認のし合いのようなものが台風の雨風とともに流されて、晴天の翌朝には、それぞれがそれぞれの自分の日常に戻っていく。そこがうまく出来ているなと思った。
あの頃、私も夫とのこじれた関係をどうしたらいいものか、このまま別居を続けていたらその先にあるのは離婚なのだろうと漠然と思っていて、それで本当にいいのか自分の気持ちがわからなくて不安で、子どもたちの待つマンションに帰るためにバス停で団地を見上げる度に(バス停まで夫に見送ってもらうと余計悲しかった)、まるで映画のセリフのように「なんでこんなことになっちゃったのか」と思ったものだった。今では母の計らいで夫と離婚することなく母の買ってくれた一軒家にのうのうと住んでいるが、あの頃のあのやるせない気持ちを映画を見て思い出した。映画の夫婦は正式には離婚した元夫婦だったが、夫の方はそのことを未だ受け入れられず、迷い多く前へ向かいきれていないところが、なんだか当時の私に似ていた。私たちも離婚こそしていないが、思い描いた理想の夫婦像からかけ離れた意味で元夫婦だった。遠くにぼんやり離婚を見据えながら始まってしまった別居を続けて、うまくいかなかった結婚生活という哀しいしこりを胸にかかえて、結論を先延ばしにしながら仕方なく毎日をただ生きた。あの頃の私の切なさは、未来には何も描けないけれど、それだからこそ捨てきれない過去への慕情であって、良多のくすぶる思いや未練と何らかわりない。だからこの映画に惹かれるのだ。
希林の演じる祖母がもう夫婦の修復はありえないと嫁に聞いて分かった時点で、大事に持っていた孫のへその緒を返すシーンがあったが、年老いた母の思い描いた老後もまた叶えられずにあそこできっぱり終わってしまったんだなと涙が出そうになった。と同時に長野の義母のことも思い出した。きっとあんなふうに私たち夫婦の仲を最後まで(今でも)心配しつづけていたんだろう。
今のこの気持ちを3日もたてば生活の忙しさでまた忘れてしまうのだろう。どうして同居したのか、本当に夫と最後まで添い遂げるつもりなのか、そもそも愛しているのか愛されているのかとまた不毛にも悩み込んでしまう日々がくるだろう。でも、今日は、今日だけはあの頃のあの切なさを抱えた自分を覚えていたい。あの頃からたしかに人生は動いて、そして今があるのだけれど、この今でさえあの頃思い描いていた未来だったか分からないでいる。ただ、ふたりが離れていた時期のあの心の揺らぎだけは手放したくない尊いもののように感じている。
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by zuzumiya | 2016-05-22 22:56 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(1)

Drop'sというバンドが気になる

札幌出身の女子5人組ブルースロックバンドらしいです。
『太陽』という曲が歌詞も含めて、なんとなーくエレカシに影響受けてるのかなと思わせるものがあるので、興味のある方はyoutubeにあるので見てみて下さい。声もいいです。
たまたまラジオから『ドーナツ』という曲が流れてきて声がいいので聴いていたら、歌詞に「穴の空いたじぶん」「空っぽのじぶん」みたいなのがあって、あっそうかと閃きました。ちょうどシャワーを浴びて鏡を見ながら化粧をしていた時で、人間の体には穴ばかりが空いていて、それで、それだから世界と交流交歓できるのかと感じて、なんかそういう人間の仕組み、在り方がものすごく自然なのだとあらためて感動してました。ふと耳にした言葉からこんな風に考えが及んで行くなんて、生きていると出会いはあるものです。
話が飛びましたが、Drop's、骨太です。期待してます。
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by zuzumiya | 2016-05-21 12:17 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)

朝からどひゃ!

朝起きたら、枕に猫の草ゲロがあった。下敷きにして寝ていたらしい。後頭部を触ったが何も付いていなかった。臭いもなかった。あの、バカ!とカチンときたが、出もの腫れもの所かまわずなのでシャワーを浴びるしかない。それにしても、水分のなくなった草ゲロにうっすら猫の毛が混じっていたので、やっぱり食べさせてよかったんだと思った。親バカだ。
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by zuzumiya | 2016-05-21 07:29 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)

秘密の暮らし

憧れの人と同じ町に住んでいるってどんな気持ちなんだろう。
朝、起きた時、窓を開けて、この先にあの人が住んでる、同じ空気を吸ってるなんて、
ほんと信じられない。
でも、すごいシアワセな、うれしい気持ちなんだろうな。
今日もお互い頑張ろうね、なんて、胸の内でつぶやいたりして。
憧れの人の家の前を通って駅へ向かうなんて、もうほんと考えられない。
チラリとガレージを見ては車があるな、なんて安心したりして。
この同じ時代に同じ日本の東京に、じゃなくて、同じ町内にっていうんだから、もう、羨ましいな。
そんな小さな秘密を胸にそっと抱えて生きてるのって、それだけでシアワセだ。
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by zuzumiya | 2016-05-18 00:05 | ちっちゃい器で生きていく | Trackback | Comments(0)

デンデンムシムシ

カタツムリがいた。通勤途中の道の塀に。それも3匹もいた。
そして、雨の中、それを愛でる親子がいた。
たしかに珍しいけど、なくなってはいなかったんだ。
それだけで今日は、いいものを見た気がした。
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by zuzumiya | 2016-05-17 23:46 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)

他人の庭2

思いもよらぬところに紫色の花が咲いている。
調べてみると“シラン(紫蘭)”だった。まさか昨年に「エイリアン」とか言って家族総出で片っ端から引っこ抜いたウジャウジャの球根から育った花じゃないだろうか。
他人の庭は今になってみれば面白い。ひょろひょろと風になびいてウザがられた枝からはきれいな紅いバラが咲いている。仲間を無情にも切ってしまった私にソッポ向くようにツンと上を向いている。飛び石の脇から小さな鈴蘭が「生きてていいですか?」と俯きながら咲いている。この鈴蘭も花を咲かす前に雑草と共にずいぶん引っこ抜かれたはずだ。
どうしてあの時、私は季節を待てなかったのだろう。
春を迎えなければどこからどんな花が咲くかも分からないのに。
この家の前の持ち主の奥様は亡くなられて、長い間ご主人が独りで住んでいらした。男一人では庭の手入れも行き届かず、後に息子さん夫婦と同居して奥様の庭はさらに放って置かれた。
私たちがきた時、庭は草ボウボウだった。
ごめんなさい、奥様。
あなたの庭の細やかなこだわりを知る心のゆとりもなく、早々と我がものにしようとしました。
あなたを知るように庭を見ています。
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by zuzumiya | 2016-05-15 11:34 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)

梅干しの種だったりカレーの匂いだったり

考えたら6年も前だった。バイトで一緒だった物知りのお姉さまに脚本家、木皿泉さんのことを教えて頂いた時、あの頃はそんなに心に響かなかった。人から「いいよ」と勧められるものに「そうやすやすと乗るのも癪だな」という天邪鬼はこうやって遠回りをして時間をロスするが、それでも人生においては損をしないようだ。
ドラマ『すいか』あっての『かもめ食堂』だったり、その後の一連のまったり系の小林聡美&もたいまさこ&市川実日子作品というか、フードスタイリスト飯島奈美作品というか、そういうムーブメントを生むきっかけになったんだから、やっぱり『すいか』の威力、貢献度はすごいんだろう。
木皿さんの脚本でいちばん好きだと思ったところ。
三億円横領の馬場ちゃんが下宿ハピネス三茶の台所に忍び込んだ時、朝食の茶碗の中に残った梅干しの種を見つけて、何気ない日常の暮らしの尊さにしみじみする話があった。しゃぶり終えた梅干しの種という視点は素晴らしかった。と同時に『寺内貫太郎一家』のドラマのなかで食を大事にした向田邦子さんのことを今更ながら偉大だったと思い出した。昨日の夜のカレーの残りを翌朝にご飯にかけるささやかなシアワセをドラマのなかに登場させたのは向田さんだったけど、木皿さんも『すいか』の初回で夕方に何処からともなく流れてくるカレーの匂いに触れている。カレーの匂いって、なんなんだろうね、やたら郷愁をそそる。夕方、自転車に乗っていてカレーの匂いがすると「ここん家、今夜カレーなんだ」と思うと、なんだかすこぶるホッとする。「帰ってきた感」がする。幸福感がせり上がってくる。煮物の匂いとか焼き魚とかよりグッとくる。不思議だな、インド人でもないのに。
そういうささやかで、でもいじましくて微笑ましくて愛おしい人の暮らしの機微を思い出させてくれるドラマって、やっぱりすごいな、ありがたいなと思う。毎日の暮らしを大事にしたくなる。マジに天国の向田さんに「しゃぶり終えた梅干しの種なんですよ!」と教えたい。
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by zuzumiya | 2016-05-15 07:29 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)

山のトムさんに癒される。

『山のトムさん』のDVDを観ました。画面の中も外も天気が良く、どちらもウグイスが鳴いたりして、とても心地よい時間を過ごせました。事件らしい事件らしいは起きないのですが、畑や家畜の世話をして働いて、夕餉には大地の恵みをみんなで頂く素朴で単純な暮らしがひどく羨ましく見えました。
何度も繰り返し観てしまいそうです。
それから遅ればせながらドラマ『すいか』を観はじめています。セットがいいですね。浅丘ルリ子さんが出ていたなんて、凄い取り合わせです。
デヴィッド・ボウイのライブとプリンスのライブもDVDで観ました。二人ともショウを作り上げることでは筋金入りのエンターテイナーで人間的にもとてもチャーミングな可愛らしい一面もあって、死んでしまったことがものすごく残念。
読書は加藤千恵の『アンバランス』が良かったです。主人公のねちっこいくらいの心情吐露が時間を歪ませるくらい非常にリアルでした。きっとそういうもんだろうとしみじみ思います。
パーマをかけたのに1週間も経たずにバッサリ切ってショートにしました。
仕事モードに入っています。
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by zuzumiya | 2016-05-08 00:42 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)

もうすぐお仕事。新しいじぶん。

実は新しくお仕事が決まりました。家から10分程度の近さの保育園での今度はパートです。
幾つか園を回ってみて思ったことですが、どの園も法定人員以上にパートを確保、追加してより良い保育をと頑張っているんですね。前の園では保育でパートの力を借りることが正職としては「見切れない」として能力のなさ、恥のように教えられてきたので考えられなかったことです。無理をしていました。どの園もグレーゾーンというか、やや手のかかる子どもがいるもので、担任が「見切れない」という本音をちゃんと公の会議にでも出して、それを担任個人の保育力のせいにせず、それならどうして行くのがいいのかという話し合いを重ねてきた結果、パートを雇い入れてはくれまいかいう流れなんでしょうから、現場には本音で話し合える関係性があり、それを上層部が聞き入れてくれる風通しの良さがあるんだろうと思い、入社を決めました。でも、何処も入ってみなければ何も分かりませんが、今回は正規職員ではないので、少し遠い立場から客観的に眺めていられるようになります。あくまで正規を守るためにパートに厳しい職場もあるでしょうしね。
さて、黄金週間は映画三昧、読書三昧でしたが、来たる21日に公開される是枝監督の最新作「海よりもまだ深く」が楽しみです。あの映画の舞台は実は別居時代の夫の住んでいた団地で、夏の日「撮影がある」「樹木希林が来る」というので夫と共にどの棟だか見に行こうとウロウロした覚えがあります。遠景ショットでも分かるように私のジーンズを物干しに干したりなんかして。うれしいことに、音楽はハナレグミだそうで、新曲「深呼吸」も25日に発売になるそうです。ここのところ、住んでる(住んでた)地元が映画の舞台になることが続いて、それも名監督、名女優の樹木希林さんがらみなので不思議だな、なんだかうれしいなと思っています。
来週、月曜から仕事開始です。手遊びの本も捨ててしまったし、また新たに勉強です。頑張ります。
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by zuzumiya | 2016-05-06 10:20 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)


ふだんの暮らしに息づいているたいせつなもの、見つめてみませんか?


by zuzumiya

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