2017年 06月 17日 ( 2 )

知るってことを端折っちゃいけない

読書をしている私の背後で息子が「行ってきます」という。彼女の家まで毎度のことながら車で行くのだ。この「行ってきます」のきますの部分のかすれ声の感じが今日はなんだかやけに耳に残る。嫌な予感があるわけじゃないが、これも先日、息子の彼女を送って車で千葉まで家族で行った経験があるからこそなのだろう。あの遠さを思えば、無事に行って帰って来いよ、の切実さが違う。知るってことを端折っちゃいけない。
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by zuzumiya | 2017-06-17 09:55 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)

生きているのに一緒にいられないのは死んじゃっているのと変わりない

今日みたいに夜中の2時半に何故か目覚めてしまって、トイレに行ったら眠気が飛んでしまった夜はいろいろと考えてしまう。例えば、母とのこと。
母は今、ようやくひとり暮らしをしている。9つも下の最後の夫は、長年の浮気相手と寿司屋でデート中にくも膜下で倒れた。車椅子生活の後、ガンを発病して死んだ。その後、やっぱり年下の面倒見のいいボーイフレンドと同棲したが、浮気され、その浮気相手が自殺未遂を起こしたため別れた。「もう男はこりごり」と言って、私たち子どもに財産分けを始めて家や車を買ってくれた。そうして私は母のいるマンションから出た。
夫との離婚が頭を掠めるたび、母のことを思う。小さい頃、あれだけ一緒に暮らしたかった母が今ひとりなのだから、元気なうちに一緒に暮らして互いの人生の中に失われた親子の時間を取り戻そうなんて思ったりする。そうやってなんとか最後に納得のいく母とのいい思い出を作ろうとしている。でも、じゃあ、どうするかと考えればいつだって堂々巡りだ。母にはお気に入りの自分のマンションの部屋と5匹の猫との生活があり、引退したくない仕事があり、私にも食べていくための仕事があり、好みに作り上げたばかりの部屋がある。「私は本当はマンションより一軒家が好きなの。庭で家庭菜園なんかやりたいの」と言いつつも、私がたとえ夫と別れても母は住み慣れたマンションを出てこの家には来ない気がする。理想は今のこの家を建て替えて二世帯住宅にすることだが、大金を使った母はもうそこまで大掛かりなことはしたがらないだろう。私がこの家を出て、母の持つマンションの5階に住むのがいちばん実現可能な話なのだが、それでも所詮10階と5階の離れ離れだ。9階に住んでいた昔と変わらない。しかも5階の内装のラブホテルのようなオレンジ色の壁と鏡ばりだけは勘弁してほしい。それなら、週末ごとに私が母の部屋に泊まりに行く手もあるが、正直、5匹の猫がうざったいのと貴重な週末が削られて休んだ気がしない、疲れがとれない。日曜だけが休みの母もきっと同じだろう。と考えていくと、笑ってしまう。なあんだ、結局私は、たぶん母も、このまま離れて暮らすのがいちばん都合がいいのかと。いつの間にか私もそんな風に親離れしていたんだな、と。そうして一周ぐるりと回って、つくづく私たち親子は縁薄いんだな、と認めざるをえないのである。同じような話が私と娘にもある。中学や高校から家を出たり入ったりの娘との親子の時間はあまりにもなかった。今も彼氏と同棲していて、このままなら数年後には結婚するだろう。母娘のかような因縁が続くなら、娘には是非男の子を産んでもらいたいと思う。
生きているのになぜだか一緒に住めず、離れ離れの方が互いにうまく行くなんて、持てる時間は有限なのにどうにもならないなんて、なんともせつない話だなぁと思う。生きているのに一緒にいられないことは、実は死んじゃっているのとあんまり変わりないなと思う。生きていればいつでも会えるさ、というのは違う。いろんな口実を作って先送りにして、つまりは互いに会いたくないんだろう。会わなくても別にいいや程度なのだ。それって、死んじゃった人を時々ふと思い出すみたいな薄さだ。凄いよな、生きているのに互いの頭の中ではもう死んじゃった人と同じレベルに落ちているなんて。喧嘩しいしいでも面倒くさくても一緒に住むっていうことの大事さを思う。


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by zuzumiya | 2017-06-17 08:53 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)


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