暮らしのまなざし

2017年 02月 26日 ( 1 )




キョウコ、どうする?〜れんげ荘シリーズ『ネコと昼寝』読了〜

a0158124_17311318.jpg
やっぱり来たか、という感じで本の嗜好が随筆から小説にがらりと変わってしまいました。エッセイや随筆を読みすぎると反動で小説が読みたくなって、お話のなかにドップリ浸かりたくなってしまいます。それを私は「小説へ逃げる」と呼んでいます。それが昂じると今度はミステリーに手を出します。
昨日、群ようこさんの『れんげ荘』シリーズ読み終わりました。昔はシリーズの2作目の中途で投げていました。生活費の10万という数字、仕事を辞めて暇に向き合う姿、他人との関係、先行きの不安。当時はいろんなことがリアルなようでやっぱりリアルでないような変な中途半端さを覚え「んなこと、続けられるか、ウソッパチ!」と思って本をほっぽり投げたのでした。でも、今は以前とは違う状況下で本を読んでいました。主人公キョウコさんの暮らしぶりにすごく重なる。うちの家庭は夫と息子と私ですが、仕事の関係で平日はそれぞれが外食です。休日は食事を一緒に摂ることもあれば、息子のように遊びに出てしまったりもあります。基本、それぞれの稼ぎから家に貯金というか非常用のお金(公金という)は入れますが、外食はすべて自腹となります。主婦である私も同じ。食事の支度や買い出しなど家事がなくなったことは素直に嬉しいのですが、自分のもの(自分しか使わないもの)はたとえ部屋の芳香剤ひとつ、シャンプーひとつでも公金でなく自腹で買うんです。もちろん、医者代も。それからたとえば、暖かくなって部屋のファブリックを春物に替えたいと思ったら、男どもは「そんなもの必要ない、贅沢だ」とか言いますが、私がそれを押し切って買えば、リビングのものであろうとすべて公金ではなく私の自腹になります。同じ理由で観葉植物も花も食器の皿一枚だってそうです。猫の餌代もそう。そういうキビシイ暮らしをしているので、今回はなぜか1ヶ月10万円のキョウコさんの暮らしぶりに非常にシンパシーを感じてしまうんです。しかもキョウコさんは母親とは元来うまく行っていないし、独身でいるところもちょうど家庭内離婚中でそれぞれが上下に別れて同居人的に暮らしている私の今とあまり変わらない。図書館通いの金のかからない読書が趣味というのも似ています。先日、うちの母が何を思ったか、まあ、淋しかったんでしょうが、「結婚相談所に財産を狙ってこない裕福な男を探しに行く」と電話で鼻息荒く言ってきた時にはガビーンときました。ネタばれになりますが、今回のシリーズ最新刊『ネコと昼寝』の最後にはキョウコさんの母親もちょっと大変なことになってまして、本を胸に抱きながら「お互い、今のままじゃダメだよね。自分のことも母のことも、何とかせねば」とつぶやいてしまいました。というわけで、逃げてきたはずの小説のお話の中でも、現実が炙り出される始末。どよんときている休日です。って、部屋の空気も悪いや。換気!換気!
江國香織さんの新作、出ました。喉を潤す美味しい水のようになってくれるかな。ちょっと読んでみます。



[PR]



by zuzumiya | 2017-02-26 08:56 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)

ふだんの暮らしに息づいているたいせつなもの、見つめてみませんか?
by zuzumiya
プロフィールを見る
画像一覧

※このブログの無断な転載はご遠慮願います。

最新の記事

夢のなかの街
at 2017-05-20 09:32
母の日=妻の日
at 2017-05-14 18:37
ランチョンマットの食卓
at 2017-05-14 01:11
私の吉田さん2
at 2017-05-07 16:21
母の凄さ
at 2017-05-07 15:00

検索

ブログジャンル