暮らしのまなざし

バトンを渡す

a0158124_055464.jpga0158124_031939.jpg優秀な表現者の人たちには共通するものがある。
自分で作り上げた世界を見せながらも「でもこれをヒントにして、自分たちの生活のなかで自分たちで何かを見つけて下さいね。みんなそういうものを創り出せる存在なんですから」というようなコミュニケーションをとる。そう、バトンを渡すような感じ。
伝えるということの意味を知っている。伝えるとは、人に何かをさせる、行動を起こさせるところまでいって、ほんとうに伝わったといえることを肝に銘じているようなのだ。わたしの好きな永井宏さんも松浦弥太郎さんも、そういうスタンスでもって表現に携わっていることをあらためて誇らしいと思う。
松浦さんはエッセイ『今日もていねいに』のあとがきで、
「おそらく、あなたの心にも似たようなレシピがあるでしょう。今回はたまたま僕が代表して書きましたが、それをカスタマイズしてもっと良いものに生まれ変わらせ、次に発表するのはあなたかもしれません。」と書く。
永井さんも『ボタンとリボン ほんとうにたくさんのロマンティックなこと』という本のまえがきで
「この本によってたくさんの愉快なことが起こってくれればよいと思っています。誰でもが言葉(art)を生みだし、並べたり揃えたりしながら、声を上げるということが、もっともっと普段の生活の中に自然に存在していて欲しいと願うからです。何気ない眼差しの奧に潜んでいる多くの物語を、この本を眺めたり読むことで感じることができるはずで、そこに、喜びも悲しみも、全てひっくるめての、楽しくもしくは豊かに生きるためのコツというようなものの発見がきっとあるはずだと信じています。この本を眺め、共感された方は、自分もまた参加するのだという気持ちで、自分なりの眼差しを頭の中に潜めながら、いまの時代、自分なりのものを作る、表すということはどういうことなのかということを考えて欲しいと思います」と書く。
ちょうど同じ時期にこのふたりの本に出会って、ほんとうに奇跡的な縁を感じた。
まさしく読者は今、バトンを手渡されている。
そのバトンにはひとこと「やってごらん」と書かれている。
伝えるべきものがあって、伝えることができる場所にいる表現者たちはすべて、プロアマを問わず、媒体を問わず、このふたりのスタンスを心の底にそっと持っていなければならないと思う。
そして、受け取ったバトンはいつだって、次の人のためにある。
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by zuzumiya | 2010-01-22 00:12 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)
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