暮らしのまなざし

褒めて伸ばす

「プレバト」なるテレビ番組で、一芸に(いや二芸にも三芸にも)秀でた芸能人がさらに俳句や華道、書道、水彩画なんかに挑戦して、才能のあるなしを競い合っては一喜一憂している。面白いのは俳句の時の渡辺えりさん。脚本だってエッセイの類だって書くような文才のある彼女が俳句では手も足も出ない。「才能なし」に選ばれた時のあの恥入りながらも本気で不服そうな顔。番組的には大いに盛り上がるが、結構本人はへこんでいるんじゃないかと思わせる。芸能人たちのそんな姿を見るたびに、私なんかは「一芸に秀でているんだから欲張るなよ、もういいじゃん」と言いたくなる。芸の世界にいるからこそ「才能」という言葉にあれほど敏感に貪欲になるんだろう。
「Aスタ」でもエレカシの宮本さんがロッキング・オンの山崎さんにデモテープを聞かせに持っては来たけどなかなか渡せないというエピソードを知り、作り手の持つ繊細で奥深い逡巡を感じた。その逡巡の機微を分かってあげられないとあの女性DJとの一件になるんだろう。
夫がどういうわけか突然、漢字検定の試験を受け始めた。「何で漢字検定なの?」と訊いてみても「漢字に強くなりたいから」としか答えない。何かに夢中になり、努力してそれが結果としてちゃんと認められる、そういう経験が欲しかったのかなと私は勝手に解釈している。学生時代、国語の成績が良く、クイズ番組でも漢字問題での正解率が高くて、家族から一目置かれていたゆえの漢字検定でもある。でもね、ほんとに大事なのは漢字検定は代償行為なんだろうなということで、彼にとってはたとえ一級に受かったとしても満たされない何かが残りそうな気がする。たまに次々に資格試験を受けて資格に拘る人がいるが、そういうことなんじゃないか。身近な誰かに口先だけでなく心から認められること、そういう自信がなくて欲しいこと、心はそっちを求めているんじゃないかな。
保育をしていても、遊びの中でたくさんの子どもたちから口々に「せんせい、見て」と言われる。目は二つしかないのにあっちもこっちもなので本当に大変だが、急がずひとりひとり、ひとつひとつ着実に具体的に褒めていく。私は子どもたちには人気がある方だと思っているが、それはユーモアがあって面白いのといつもどこかを褒めてくれる(洋服であっても褒める)からだと思っている。こんなに小さいのに褒められたくてうずうずしていて、褒めてくれる人を心から求めていて、みんな自分の存在を認めてもらいたいのだ。そのために懸命に頑張っている。そんなふうな心の帰着をしながら、テレビを見たり、生きている。





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by zuzumiya | 2017-06-18 09:04 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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