いろいろ見えてきた

新しい園に朝夕のパートとして入って、もうすぐひと月になる。
最近、思うことだが、保育士もやはりひとつ所にずっと勤めているのでなく、積極的に他へ移っていろんな園や保育の仕方を知った方がいいように思う。同じ園に10年勤めているという話も聞くが、保育士として同じ職業を続けていることはご立派なことだが、同じ場所に居続けて「保育とはこういうものだ」と思い込み、他を何も知らないということは気づきや進歩を妨げているようにも思えないか。
私も前の園から離れてみて、前の園の保育の良さをわかったし、私が最後まで納得できなかった「0、1歳児に絵本は必要ない」という園の考え方はやはり違うという結論に至れた。
ただ今の園と前の園を比較してみて、保育に対する考え方としては前の園の方がはるかに素晴らしかったと思える。今の園は私が保育士になりたてのほぼ16、7年前とほとんど変わっていない。懐かしさを感じるとともに、その旧態依然さに唖然として疑問を感じてしまう。たった1年間の担任だったが、前の園で得たもの、体と頭に染み込んだものは私に大きく影響を及ぼしているのだろう。特に乳児の発達については実に注意深く指導も細かったので、今の園の遊具のあり方、子どもとの距離の取り方、立ち居振る舞い、パートの保育への参加の仕方など、「これで大丈夫なのか」と口をあんぐりさせてしまうことが多い。
あまり書くと悪口のようになってしまうが、比較として1歳児を見てみると今の園は子どもの発達を考えて遊具を選んでいるのだろうかと思う。6月のこの時期に井型のブロックダンボール箱ひと箱と絵本、タッパウエア、マジックテープつきの既製の野菜やケーキ等のおままごと玩具と皿類、プーさん等のぬいぐるみぐらいしか出ていない。設定保育だからか外に出ている遊具が少なく、子どもが自由に出し入れして自由意思で遊べる遊具があまりにもない。子どもの手が届くところに引き出しがある(中には小さなボールが入っていた)くせにそこから遊具を取り出すことは許されていない。なぜなら、指を挟むからだそうである。それって本末転倒、おかしくないだろうか。先生が引き出しに養生テープを貼っていたがやっていることをよく考えてほしい。呆れてしまった。
子どもたちがなんだかワサワサしていたり、やたらに絵本ばかりを持ってきて「読んで」という仕草をする。絵本については子どもからの欲求が強くあり、集中もあるのでやはり絵本は保育室の子どもたちの手の届くところに置いておくことは間違っていないと思った。でも、よく考えてみると、要は遊べていないということじゃないかとも思う。月齢の幅はあるから低月齢児はまだ床に遊具を散らばしたりするが、高月齢児はそれなりのイメージを持って遊べるはずだ。なのに十分な遊具と数が揃っていない。手指の発達のことを考えたら、握って入れたり出したり、お玉やれんげなどの道具を使って移したりの時期でもあるのに、そういう発達を促す観点で遊具を選べていないのだ。前の園ではほとんどが手作り玩具で、チェーンやお手玉の大小、ザルやお椀やお玉やれんげ、ペットボトルやパスタ筒などがすべて棚の中に並んでいて、子どもたちがいつでも取り出せてすぐに遊べることができていた。高月齢児はイメージを持って何かに見立てて遊び、低月齢児はまさに入れたり出したりで手指の機能訓練を知らず知らずのうちに繰り返していた。つまり、食事と睡眠以外はすべて自由に自発的に子どもたちが遊んでいられたのだ。だからこそ、「見守る保育」が成り立った。今の園は子どもに積極的に関わって遊んであげているから、子どもから「先生、○○して」と来る。子どもがまわりの大人に目もくれず、じっくり遊び込んでいる姿があまり見られない。先生という大人との遊びをあてにしているという気がする。
それに1歳児15人を3人の保育士で見ているが、恵まれていることにパートが1名ないしは2名も入っている。なのに、動きが落ち着かない。見るたびにてんてこ舞いなのだ。前の園では11名を2名の保育士で見て、よほどのことがない限りはパート1名すら入れなかった。朝夕の送迎時や排泄の時すら2クラスでパート1名の取り合いになっていたのはどうかと首を傾げたが、それだけキビシイ状況でも気を張り、事故なく頑張っていたのだ。今の園は大変恵まれた環境だと職員が認識した方がいい。
スペース上のこともあるのだろうが、粗大遊具や壁面遊具が部屋の中にひとつも出ていないというのも不思議な感じがした。部屋作りといった観点がないわけはないと思うのだが設定保育にこだわるからだろうか。
衛生面でも首を傾げることが多い。今は0歳児クラスにいることが多いのだが、いまだに便でも手袋も使わず、消毒液も置かず、部屋の隅にキルティングマット!(せめてもお風呂マットにしてほしい。後頭部が痛そうだ)を敷いて排泄を行っている。基本的には紙オムツだが、布オムツの子もいて、付着した便は保育士が取り除き、下洗いして家庭に返す(16年前と同じ)。ミルクを吐いてもティッシュで拭くだけ。0歳児でも消毒液のピューラックスの出番はほとんどない。1歳児と2歳児クラスの間のトイレにもすぐに使えるように棚のなかに薄めたピューラックスをペットボトルに常備しているなんてこともないようだ。
0歳児で怖いなと思うのは皆がはいはいやずり這いで動きまわるのに、驚くべきことにスポンジマットが1歳児よりも少ないこと。それからサークルで囲わないので、はいはいしたり、つかまり立ちの子が何人もいると保育士が抱っこしながらそれぞれあちこちについていくという効率の悪さがある。危なっかしくてしょうがない。お尻が真っ赤になれば洗いはするが、ワセリンで対応するなんてこともない。
経済的にもスペース的にも問題はあるのだろうが、もう少し知恵やアイデアでなんとかならないものかと思う(100均の生活用具でも遊具になる)。パートの数ばかりいるが、保育の質的なことにきちんと還元できているのだろうか。それもこれもみんなひょっとしたら他園の保育を知ろうともせず、我が道を行くことにこだわった末なのではないかとちょっと思ったりする。
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by zuzumiya | 2016-06-02 00:03 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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