神様のあたたかい企み

冬になるとよく片方だけ落ちている手袋に出会う。
先日も朝の通勤途中の歩道の金網に手袋が片方押し込められていた。
茶色い毛糸とツイードの上品な手袋。持ち主はどんな人だろう。でも、その形がおかしかった。まるで女の人が「待って」と言わんばかりに手指を広げた感じで道に突き出ていて、時間が止まって見えた。持ち主を「待って」なのか。それとも手袋の相方を「待って」なのか。ふと、手というのはなぜ二本あるのだろうと思った。たぶんそれは両手で物や道具を扱ったり、片手ではできないあらゆる動作をするためなんだろう。でも、きっとそれだけじゃない。手は道に突き出たあの手袋のように、誰かを「待って」いる。繋ぐことでつながる誰かを、そうすることではじめて満たされる安心を。保育園の子どもたちが友だちとうまく手をつなげた瞬間のうれしそうな笑顔を思い出した。そう考えたら、自分の手の片方は誰とでも繋がることができるんだと思った。誰かとつながるための手を持って生まれてきた。なんだか目の前がぱぁっと開けていくような気持ちになった。
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by zuzumiya | 2015-12-23 09:30 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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