母と娘の運命

毎晩、仕事帰りに母の店の前を通る。夜も7時を過ぎれば、店にはネオンが灯る。
自転車を走らせてきて、街路樹の間からチカチカと青と白の光が見えると「今夜も店が開いている。あそこに母がいるんだな」と思う。
幼い頃からそうだった。母はいつも目と鼻の先の店にいた。会いに行こうと思えば行けたのに、なぜだかいつもそうしないでいた。そんなことをぼんやり思い出す。
私はたぶん、母に限らず、そうやって大事な何かといつでもすれ違ってしまうような気がした。いつでもすぐそこにあるから、まだ大丈夫と思いながら、何も改めずに何もせずにただ時間を浪費するような、そういう流れの人なのだ。
いつか、母が死んで、もうどうにもならない時になって、こんな風に思いながら自転車で前を通り過ぎるしかなかった自分とこの日々をやるせない気持ちで思い出すんだろう。













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by zuzumiya | 2015-12-07 23:15 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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