保育士としてじゃなく

うちのクラスに最近になって反抗期で、よく言う“魔の2歳児”ってやつで、ひどく癇癪を周りにぶつけてくる男の子がいる。モノは投げるわ、そばにいた他の子の頭をモノでボカスカ殴るわ、注意した大人にも刃向かって力いっぱい両手を振り回しぶってきて、何としても自分の非を認めない。まあ、保育士としては手を焼く問題児なわけで、会議の議題にはのぼるし、発達相談なんかも二度も受けてるし、担当制だから陰では担当の保育力、指導力のせいにもされているのかもしれない。
でもね、保育士という視点から離れてみると、彼の姿は凄いなと思う。だって、たった2歳の子が「ちがう!、○くん(自分のこと)が悪いんじゃない!」と真っ赤な顔して身長が倍以上もある保育士に片手を引っ張られながら全身で抗ってるんだよ。
そういう姿に、ある時ふと、大人である私はこんな風に自分の全部をかけて誰かに対して「絶対、ちがう!」なんてはっきりキッパリNOを言えるか、自分をぶつけられるかと思った。それができなくていつも人の目を気にして、いい人でいたくて、こんなにも生きづらさを抱えているというのに、と。でも、この子は2歳児なのに精一杯やってるんだな、この子なりに世界と闘ってるんだなと思ったら、凄いと感心した。保育士という先生の目から見れば面倒で厄介なだけの歪な“デッパリ”だけど、否定のヤスリをかけて削って均してしまってはいけないような惜しい気もした。保育士としてそう思うことが正しいことなのかわからない。でも、社会人経験は多いけど保育士経験は少ない、そんな私を敢えて難しい彼の担当として推したかつての乳児リーダーの思惑を想像すると、そういう先生らしからぬ見方、発想から何か新しい関わりをと思ったのかもしないとも思う。彼を見ていると担当制についての良し悪しも考えてしまう。担当の私にはあまり酷い癇癪にはならず、クラスリーダーの担任に対しては癇癪が長引く。母にかわる担当への愛着が目立って、彼女もやりづらいのだろう。担当の私の叱り方が足りないと、まあ些末なことをよく言われた。
担当の私一人だけは、たぶん、園の中でも一人かもしれないが、今の彼の凄さを認めてあげたいと思う。「よくぞ言った!そのしぶとさ、まんまと手放すなよ」と胸のうちで喝采を贈りながら。



























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by zuzumiya | 2015-11-08 01:38 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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