バンド組みたかったんだよなぁ(でも、私は写真部)

a0158124_21475882.jpg人生を振り返ってみて、やり残したなと思えることは、唯一バンドを組まなかったことだ。
高校生の頃、私は横浜の外国語科の進学校に通っていた。広く神奈川県内から英語に秀でた学生が集まり、そして何より帰国子女が多くいた。1年の時、すでに英語においては帰国子女には到底勝てないと悟った私は、早々に英語で生きていくことを諦めた。
1組だけに男子がいて、それも10人程度しかいないほとんど女子校で、学園祭でバンドとして出てくるのはお馴染みの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を引っさげて出てくる男子によるディープ・パープルのコピーバンドと、もうひと組のガールズ・バンドだけだった。
ピアノはバイエルどまり、楽譜も読めないし、ギターも弾けない楽器音痴の私はそのガールズ・バンドを羨ましい気持ちで眺めていた。
メンバーの名前もバンド名ももう忘れてしまったが、今でもステージに出た時に着ていた揃いの赤いツナギと彼女らの顔は思い出せる。誰がどの楽器をやっていたのかも。
3年間のあいだにおそらくメンバー全員と同じクラスにはなっていたと思う。でも、なぜか誰ともそんなに仲良くなかった。
バンドなんかやっていたが、進学校らしく彼女たちは全員頭がよくて、大学でも短大でもみな名門へ進学していった。それがまたカッコよかったと今思う。
彼女らがコピーしていたのは当時アメリカで人気があったガールズ・バンド、GO-GO’Sだった。私がその頃何を聞いていたかというと、イギリス系のロックかブライアン・イーノのアンビエントだった。小林克也の「ベストヒットUSA」なる洋楽紹介番組が深夜にやっていて、そこでGO-GO’SもMVが流れて、ノリのいいサウンドと覚えやすいメロディーに愛らしいルックスのベリンダ・カーライルのパンチの効いたヴォーカルがよくて、私も割と好きだった。
高校を卒業して、ほんとに随分時が経って、結婚やら子育てもして、ある日、覗いたCDショップのワゴンセールでGO-GO’Sのデビューアルバム『ビューティー・アンド・ザ・ビート』を見つけた。大ヒットしたセカンドアルバム『バケーション』の方はなかったが、懐かしく手にとった。当のGO-GO’Sのメンバーはガールズ・バンドらしくすぐに仲間割れして、とっくのとうに解散していた。
家に帰って聞いてみると、最初の曲のイントロからGO-GO’Sの面々やMVなんかでなく、高校時代の学園祭の赤いツナギを着た彼女らが目に浮かんだ。聞き進むたび、「この曲も知ってる、この曲もたしか演奏してたよなぁ」と懐かしくなった。昔、娘がエレキギターを始めてコピーする曲を探していた時、GO-GO’Sの「ウィ・ガット・ザ・ビート」を勧めたこともあった(結局、当時流行りのチャット・モンチーにしてた)。
先日、増えすぎたCDを整理していて、久々にこのGO-GO’Sのアルバムを聞いた。
やっぱり、1曲目から高校時代の可愛らしい彼女たちを思い出した。もはや私の中ではGO-GO’Sと言えばもう彼女たちになってしまっている。それが思い出の曲の宿命だ。聞く機会はこれからもそうはないだろう。それでもやはり、処分はしなかった。
自分の高校時代のひとつの思い出でもあり、「バンド、組みたかったんだよなぁ」というほのかな悔しさと心残りをこうしていつまでも懐かしく思い出す瞬間もいいものだから。
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by zuzumiya | 2014-09-03 21:53 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)
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