『男ともだち』、ようやく読了です!

なんでこんなに時間がかかったかと言えば、この暑さで身体の疲れもありましたが、個人的な出来事が引っかかって、先へ読む気も何かを書く気も失せた時期があったからでした。今もまだ、ちょっとダメなんですが、皆さんをお待たせしてしまったこと、本当に謝ります。申し訳ありませんでした。
この本を読んでいてまず共感できたことは、いつか万人に愛されるような絵本を描きたいと思いつつもイラストレーターという仕事で生き繋いでいる主人公、神名の心の声です。焦りも自己嫌悪もプライドも不安も投げやりも、じたばたが何だかみんな「あぁ、そうだろうなぁ」という気持ちで読んでいました。仕事における神名の迷いや想いは作者、千早茜さんの「売れるまで」の想いそのものだったんだろうと解釈しています。神名を取り巻く男たちを描く熱とはまた違った熱が感じられましたから(笑)。まずはそこに強く共感しました。
さて、その男たちですが、彰人は可哀想だった気がします。
同じことをハセオに言われてもカチンとこないのに、彰人とは何故か喧嘩になってしまうんでしょうね。村山由佳さんの本でもそうでしたが、表現を仕事にしている人にはどうしても彰人のような、お世話係りのような役割の人がある時期いなければならず、でも最後には割を食うことになります。糟糠のなんたら、ってやつは捨てられますよね、前に進むために、いや、前に進んだがために。
医者の真司さんとの不倫の関係は互いに利用し合って割り切って付き合っていると思いつつも、やはり相手の(互いの?)狡さに無自覚ではいられない。やっぱり、不倫はそこがネックだと思います。人間的な良心みたいなもの、良心っていうとまたちょっと大袈裟ですが、倫理観とかじゃなく、なんというか「でもさ、人の心っていうのはさ、こういうものじゃん」的な想いやジレンマは揺るがせないもので、目をつぶろうとしてもつぶれないんでしょうね。傷つくって、そういうことでしょう?
ハセオは…、こういう存在は私にはいなかったし、今もいないし、いたら絶対に自分だけの男にしようとするから、私のような独占欲あるタイプにはハセオなる男は寄ってこないでしょう(笑)。コメント頂いてるみみさんの言うように、世の女性の理想の男ともだちなんじゃないかと、あくまでも理想ね、私も思います。口さがない人々にこの本が“ファザコン小説”と言われてしまうんじゃないかなと憂慮しますが、最後に神名が「ハセオにとっての愛情は?」と訊いたときに「見ててやることかな」と答えるじゃないですか、あそこがねぇ、モロでしょう(笑)。束縛もしない、裏切りもしない、つかず離れず、いい時も悪いときもただずっと、見放さず見限らず親しみを持って見続けてくれる人。そんな男がいたら、何をするにも安心、心の拠り所ですよね。まさに周囲を圧倒して前に進める力になる(笑)。
露月さん、鋭い人でしたね。184pからのセリフの数々。ハセオが幻想だって。友達の美穂が「寝なきゃ特別でいられる」というのに対して、特別なんかじゃない、時間稼ぎしてないでさっさとやっちゃえって。お子様どうしの傷の舐め合いしておままごとしてんじゃないって(笑)。でも、後でハセオのセリフに「長い時間かけてやっとものにしたのに、身体の相性が合わなかったらすごく切なくないか。だったら、知らんままの方がいいよな」っていうのがあって、ああ、ハセオの過去にも何か傷があったんだなと読者に思わせますよね。でも、私はなんだか、ハセオと神名がもしこれから何かの弾みで身体の関係を持ったとしても、二人の親密さは何ら変わらないんじゃないかという気もしますがどうでしょう。そうでもないのかな。ハセオをわかっているつもりでも、神名の方が独占欲が出て、嫉妬しちゃうのかな。
私自身の話でいえば、男ともだちって、結局は何なんだろうと思いましたね。
もともと私は子供の頃から神様に「たった一人でいいですから私のことをわかってくれる人を下さい」って強欲にもお願いしていたぐらいで、その一人が恋人であり友人であり、兄弟であり夫であり、戦友でありのような全てを担うというか、そういう存在が欲しかったんです(笑)。でも、実際、夫とのことを相談したいのは男の意見を聞きたいから女ともだちじゃなく男ともだちでって思うんですが、でも考えてみると、“男の意見”なんて一般論はなくて、その人の人生経験を踏まえた“その人の意見”に過ぎないんですね。「ふうん、そうなんだ」って頷きながら、「別にこの人の意見聞いてもしかたないか、私の聞きたいのは夫の本音だった」と辿り着くわけですよ、いつでも。「違う!」ってね。
夫の心を知りたいがために、っていうのが実は男ともだちと会うのにいつも下心的にあったんじゃないかと気づきまして、素直じゃないですよね(笑)。だから男ともだちって、私にとっては夫とはぜんぜん違う誰かで、その違いを見せつけてくれて、自分がいかに夫色に染まってきたか、そしてそれが心地よかったか、私にとって夫がいかに大切なのかを知らしめてくれる人ってなると、あまりに失礼で酷い存在価値ですよね。そういう心理を丸呑みしてまで私に付き合う男はいないでしょう(笑)。「旦那は一番、俺二番」なんて本気で思う男はいないはず。結局、回りくどく行かないで素直になれってことだと分かりました。
みみさんなんか、よい友人関係で羨ましいんですが、自分が彼に何を求めているか、自分に問うてみたことありますか。その辺も是非聞いてみたいことですが、公の場で無理強いはしません(笑)。
とりあへずザッと『男ともだち』の感想です。またいろいろ、意見&感想をお寄せください。
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by zuzumiya | 2014-08-08 17:54 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(10)
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Commented by みみ at 2014-08-08 21:56 x
あの…このよい友人関係を築いててその彼に何を求めてるか自問したことありますかの彼は恋心をもってしまった彼を指すのでしょうか?
そうだと前提に答えると。
自問したことありますよ。
私が彼に求めるのは行き詰まった時に自分では考えつかないウルトラポジティブシンキングの彼の考え方を教えてほしい!それだけです。

とりあえず…私への質問への答えです。

彼は夫が1番!そしてその他大勢の男ともだちの中の一人でいる事を願ってくれるそんな人です。

って。めんどくさくてややこしい関係なんて嫌なんだと思います(笑)だから。ざっくりと私たちはともだちなんだと思います。
Commented by zuzumiya at 2014-08-09 00:23
みみさん、早速の返信ありがとう。その行き詰った時の相談はやはり旦那様では力不足ということでしょうか。私はよく夫とのこじれた関係を、できればもう一人の夫に他人事として相談できたらいいなという変な願望を持った覚えがあります。夫とのことですら、問題の当事者の夫に相談したいという。分かってもらいたい人はたくさんじゃなくていい、目の前のただ一人でいい、だからこそキツイというジレンマの中にいました。相談したいのに、或いはただ話を聞いてもらいたいのに「この人も疲れている、自分の事で精一杯なんだ」というのが目に見えて、年上でいつも自分が正しいと思っている夫がすごく非力で情けないなと思うのと同時に、自分で何とかしなくっちゃ、もう大人なんだから、みんな孤独なんだからと背を向けた時もありました。そんな時、そういう弱っている時にもし男ともだちがいたら、どうなっていたか…。
Commented by zuzumiya at 2014-08-09 07:28
男の下心は身体の征服欲ですが、女の下心は寂しさ、虚しさの穴埋めですよね、だから男のように次へ行かずに跡を引く。異性と会う時は女も自分の下心と対峙する潔さが必要なのかもと思います。もっと言えば、夫や恋人とうまくいってたら男ともだちという存在はそれでもほんとに必要か?ということ。
Commented by みみ at 2014-08-09 09:26 x
夫と私は恐ろしいくらい考え方が似ていて私の相談事の答えは私が自分でも出せる答えなんです。
彼は私とは真逆の人。なので、こんな風に感じて行動する人もいるんだと思うんです。恋は愛じゃないから。恋は覚める…
なので彼への私の想いは過去形です。

そして…その他の男ともだち。この人達について。私は男、女を意識したことがあまりありません。友達って。自分が求めることをしたとして。相手がそれを与えているって思わない関係なんじゃないでしょうか?
Commented by みみ at 2014-08-09 09:42 x
zuzumiyaさんのご主人との関係に非力を感じる。なんとなくわかります。
寂しさ、虚しさの穴埋め。確かにそうですよね。女は浮気はしない。するのは本気だったりするから跡をひいて質が悪いんでしょうね。
zuzumiyaさんの文章から伝わってくるものとして。弱っている時に男ともだちがいたとしても、きっとどうにもならなかったと思います。貴女の男ともだちにそんな不埒な事をしてしまえる方が存在するなんて思えない。そんな凛としたものを感じます。

男、女。そんなのやっぱりともだちの前ににはつける必要がない!そう思います。
Commented by momo at 2014-08-09 23:59 x
こんばんは。
以前コメントを残したものです。
男ともだちを読んで、実の男友達に
勧めたらあまり良い感触の感想はありませんでした。そんなに物分りの良くて分別のある男ばかりはいない気がします。
Commented by zuzumiya at 2014-08-12 22:47
返信、遅くなりすみません。momoさん、コメントありがとうございます。
私も読んでいる時から、この本はたぶん男ウケしないだろうとは思ってました。このハセオという男の存在は世の男にしてみれば嘘っぱち、女性たちにしてみれば“願望”ですよね(笑)。あそこまで親しかったら、普通は寝ちゃうだろうし、恋人同士になって、それでもうまくやれてたら、やがてはゴールインでしょう? 男にとって「寝る女、寝ない女」ってどういう基準なんでしょうねぇ。「(関係を)大事にしたいから寝ない」とか「寝る必要なんてない」とかって本音ではどういうことなのかな、なんて思いません?
Commented by zuzumiya at 2014-08-12 22:58
みみさんへ。弱っているときに男ともだちがいたら…の話ですが、たぶん、みみさんの言うとおり、どうにもならなかったと思います(笑)。私も土壇場で我に返るでしょうし、その後の関係の不自由さを思えば、お互い何もなく終わる方を選ぶでしょう。ただ、私は凛とはしていません。気が小さくて勇気がないだけだし、おまけに色気もないんです(笑)。
Commented by zuzumiya at 2014-08-12 23:12
私にとって男ともだちとは、やっぱり恋心をみじんも感じてないっていうことが大前提ですね。人としてフィーリングが合う、話していて面白い、会話が弾むというのが友達になるポイントです。「いいヤツだな」「この人といると素になれてラク~」とは思っても、恋はしてない、今後も恋しそうにない。だけど気軽に何でも話せるというのが男ともだちでしょうか。恋心が芽生えちゃったら、その後、どんなに友人の一人と思おうとしても無理ですね。私はその人の一番になりたいし、特別になりたくなってしまうので。みみさんのように恋心芽生えてからの友人というのは変にギクシャクしないかと思ってしまいます。
Commented by momo at 2014-09-03 21:15 x
ずいぶんと、間が空いてしまってすみません。
本に関わらず、とても素敵な文章をお書きになって
おられるのですね。
つい、読んでしまいました。
zuzumiyaさんの疑問について一緒に考えたいと思い
コメントに・・・
若輩者ですが(汗)
男の人にとって、「寝る」「寝ない」ってさほど
重要視はされてないと思います・・・
性欲と気持ちの処理の仕方が違う気がしますね・・・

そして、多分本音だと「寝てしまうと厄介な相手」だと
遠ざけられているのか、本当に友人関係でいたいから
「寝ないのか」だと思います。
女友達としては付き合えても
恋愛に依存的な女性を避ける人は結構いますよ?
大人になると、恋愛だけが全てではないので
鬱陶しく思えるのかもしれません。










ふだんの暮らしに息づいているたいせつなもの、見つめてみませんか?


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