『廃用身』、老人医療って何だろう

a0158124_1823127.jpg『男ともだち』が届くまでの間、今読んでいる本は久坂部羊さんの『廃用身』。
食事介助のパートとして介護の世界の端っこにいるので、老人介護の諸問題を題材にした本やドラマに興味があります。以前にもここで紹介した小説『ロスト・ケア』とか『百年法』とか、ドラマの『家族狩り』それから明晩BSで放送される『終の棲家』など考えさせられる作品が多くて、少子高齢化が人口推移の数値で予測可能だったにもかかわらず、国が先送りにしてきた老人問題の深刻さがそれら作品の中には露呈していて胸に迫ってきます。この『廃用身』も介護の負担にしかならない麻痺して動かない腕や脚など身体の一部(医学用語で「廃用身」といいます)を切断するという考えの新しい老人医療を進めた医師のルポのような体裁の小説で(ごめんなさい、まだ読み始めたばかりです)、やっぱり「医療費の増大をいうけれど、老人医療ってほんとは何だろう」と考えさせられます。
仕事の介護の現場でもいろんな疑問や時には怒りや反対に諦めや、それによって自分の老後に「生き長らえていることが果たして幸福なのか」「誰のための生命か」という疑問や不安も湧きおこります。人工授精など生命を生み出す方のバースコントロールはここまで認められてきても、生命をなくす方、安楽死、平穏死などのデスコントロールの方はこの国ではいまだ盛んに議論されていません。正直に言えばそこにも疑問を感じます。
でも、暮らしていく日常の流れの速さと強さには抗えず、仕事は仕事であり、本やドラマを味わうように“立ち止まって”事態を深く慮ることをさせません。食事介助という介護のほんの一端しか関わっていない私にとっては、時間に追われ、効率に追われる仕事の中でよりも、こうして小説なりドラマなりにどっぷり浸かって、感じるリアリティの見え方の方がずしんと心に響きます。介護職員の方にも仕事から離れた休日にこそ、是非、こういう作品を読まれたり、見たりすることをおすすめしたいです。「考えても仕方ない。だから、手を動かす」という論法もわかりますが、その手はあなたの心がやっぱり動かす手だと思うのです。
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by zuzumiya | 2014-07-26 18:27 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(2)
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Commented by みみ at 2014-07-28 18:57 x
「男ともだち」読み終わりました。
いろいろと書きたいことはあるのですが。私は本を先入観を持って読むのが嫌いなのでzuzumiyaさんが読み終わるまで記さないでいますね!
読み終わっての感想楽しみにしています??
Commented by zuzumiya at 2014-07-28 21:26
ゲッ!みみさん、もう読んじゃったんですね。早すぎです。わたしは明日受け取りですもん。ちゃんと書きたいことは憶えておいて下さいね。読み終わったら、「読み終わりました」とだけ書くので、感想ゴーです(笑)。


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