暮らしのまなざし

くさや女のしあわせな瞬間

huluで「ホタルノヒカリ」というドラマを見た。2007年に日テレで放送されていたドラマだ。
外ではきちんとした身なりでテキパキ仕事をこなすのだが、家に帰るとシミのついたTシャツにジャージ姿で、髪はちょんまげ。あたりめをしゃぶり、片手に缶ビールで縁側でごろごろ。当然、恋愛からも遠のく。ドラマではそういう女を“干物女”と命名した。
当時、この“干物女”という言葉が流行った。あの頃、ドラマの存在は知ってはいたが、主演の綾瀬はるかがイマイチ好きでないので見ていなかった。
“草食男子”の言葉が雑誌に載ってブームになったのが2008年頃だから、“干物女”も“草食男子”もちょうど同じ頃、恋愛に逃げ腰な若者の象徴として、世間でもてはやされていたことになる。
で、20代くらいの若さで干物化しちゃうから“干物女”なんだが、48歳の年季が入ったオバサンの私は、まさに干物中の干物“くさや”ということになるか(笑)。
うちの息子は“干物女”の男版、“干物男”だ。仕事はきちんとこなし、先日もE3に息子の作ったゲームが選ばれ出展された。有給も代休もうんとこさ貯めて出勤していく。でも、家に帰るとジャージ姿でコーラ片手にビーフジャーキー。休日も家から一歩も出ず、ネトゲ廃人化している。もちろん、高校時代にフラれてからずっと恋愛とは縁がない。
美容師アシスタントの娘はクタクタになって帰ってきて、服を脱ぎ散らかした汚い部屋にジャージ姿で寝っ転がっているところまでは同じだが、しょっちゅう恋愛してるから、あれは単に“片付けられない女”なんだろう。
今の季節と同じ季節が舞台になっている小説や映画、ドラマを見るのは心にすんなり入ってきて楽しい。「ホタルノヒカリ」の古民家の縁側。朝顔の鉢や池の金魚、風鈴、蚊取り線香の豚。昭和女子の私はああいう縁側が懐かしいし、好きだなぁと思う。今、小説では三浦しをんさんの『木暮荘物語』を読んでいる。あの本も蝉の鳴く夏から始まっている。
先日、窓にすだれを吊るした。とたんに夏になった。
今日は今年はじめてのとうもろこしにかぶりついた。今度の給料で風鈴と首に巻く手ぬぐいと花屋さんに出ていれば朝顔の鉢でも買って、そうだ、ベランダに小さな池を作って、猫のももちゃんを驚かすために金魚かメダカも買おう。
さっき、もの凄い夕立がきて、水墨画のように世界が灰色に包まれた。でも今は雨が上がって、どこかわからない遠くの方で雷がごろごろと鳴っているだけだ。
梅雨の日のこんな夕暮れ。アイスキャンデーほおばって「ああ、はやく夏が来ないかなあ」と願うけど、「来たらきたで、またあっついんだよなー」と苦笑する、毎年経験するこんな瞬間が私は好きだ。
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by zuzumiya | 2014-06-29 16:47 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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