暮らしのまなざし

更年期という名のオセロゲーム

今まで「もしかしたら…」とうすうす感じてはいたことが、群ようこさんの更年期障害ネタのエッセイ『ぬるい生活』を読みはじめて、確信に変わってしまった。
“病は気から”と言われているとおり、更年期障害だって気の持ちようで、あるなしや重い軽いの差があると思う。それから「○○病」「○○症」と病名がついた途端、人はみな「この不調はれっきとした病気なんだ」と身にしみて、今まで以上に心身ともにしなびてしまうこともある。受け入れること、認めてしまうこと、自覚すること。そこから花粉症だって、更年期障害だって、すべての病は本当に始まるんだと強気に思ってきた。でも…。
最近、ブワーッと大汗をかく。ない胸のあるかなきかの谷間につつつーっと汗の雫が垂れていく。首のまわりの伸びた髪から氷柱のように雫がぽたぽた。「ひょっとしてこれが更年期障害の“ホットフラッシュ”か?」と一瞬頭を過るが、すぐに「だって、今日は蒸し暑いじゃないか」と自分で打ち消し、念のため「ねえ、ちょっと暑くないですかぁ?」と周りに声をかけたりする。「うん、蒸し暑いよねぇ」と返事がくればひと安心。「ほら、私だけじゃない」
それに“ホットフラッシュ”というのは、その名のとおり、別に何もしてないのに急にカーッと全身が火照り、ジトーッと汗がにじみ出てくる感じだと理解しているから、私のように廊下を走ってきて、たった今座ったばかりで吹き出てくる汗と汗の出方が違うと信じていた。でも、群さんの本のなかでは、そういう“必要以上に大汗をかいて、汗が止まらない”のも更年期障害としてアリらしい。
それからいちばんショックだったのは、イライラの話。更年期のイライラは訳もなくイライラするんだとばかり思っていた。たぶん、“命の母”という更年期障害向けの薬のCMのせいだ。CMでは眉間に皺を寄せた女性がソファにもたれていた。この静かな映像が「これといった原因もなく、訳もなく、なぜかイライラする」ものと私の頭にインプットされてしまった。で、この“訳もなく”かどうかが非常に大事で、私はイライラするたびに更年期障害の文字がいったんは頭を過るが、いつでも「このイライラには原因がある。あいつのせいだ」と原因をはっきりさせて、だから自分は更年期障害じゃないと決めてきた。
でも、群さんの本によれば、原因のあるなしでなく“ヒートアップしやすく、そしてなかなかイライラが収まらない”のが更年期障害のようなのだ。それならば、残念ながら、ある。マイナスなことは書かないと決めていたブログに、自分のイライラが収まらないために何度か仕事の愚痴を書いてしまったし、先日も「動きがとろいあの子となんで同じ給料?」と不満をぶちまけている。
考えてみれば、私が「暑くないか」と訊いてすかさず「暑い」と返してくれた先輩は年齢的に更年期真っ只中の人だった。トホホ。
まるでオセロゲームのように、白だったものが黒へとひっくり返っていく。
このまま『ぬるい生活』を読みすすめていくのが怖い気がする。知らなかったらそれで済むものが「そうだったんだ」とわかってしまうとガビンとくる。更年期障害かもしれないけど、悲しいかな、たぶん、そうなんだろうけど、でも、止まない雨はないし、トンネルの先に出口はきっとあるはず。逆に更年期という一時期の、一過性の不調である方が病気じゃないんだから幸運なのだと考えよう。
それにしても、この更年期を見事こえられたら、次に待っているのは本格的な老年期である。女って大変なことばっか、ソンな役回り。
ああ、こういうマイナス思考が強まるのも更年期障害だったりして(苦笑)。
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by zuzumiya | 2014-06-07 17:11 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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