話にならないはなし

今日、こんなことを思った。
例えば。
朝、寝床で本を読んでいると、窓の外からうぐいすらしき声がした。今年初である。耳をすます。
まだ、ところどころつっかえて、流暢でない。つたないピアノの稽古を聞いてるような、いたいけなものを鷹揚に愛でる気分がせり上がってくる。もっとよく聞いてやろうと窓を開けた。
そして引き続き本を読む。読み進める。
気がつくと、うぐいすの声はしない。考えてみると、窓を開けてからずっと声がしていなかったかもしれない。ただ寒いばかりであった。愚かなことをした。
というようなことを文章で書く。同じことを言葉でしゃべるとする。
「あのさ、朝起きたらさ、うぐいすの声がしたんだよね。たぶん、今年になって初めて。
んで、なんかまだ若鳥なのか、下手くそでさ。ほら、知ってるメロディーをつっかえる近所の女の子のピアノの稽古を聞いてるみたいな気分になって。で、かわいくなって窓開けてまた本を読んでたんだけど、気づいたらさ、うぐいすの声がしてなくてさ、考えてみたら、窓あけてからずーっとしてなくてさ、ただ寒いだけだったんだよね、何やってんだ、あたしはって(笑)。」
みたいな話になると思うんだが、同じ内容を文章で書くのと言葉でしゃべるのとでは大きな違いがある。たった数行でも文章で書いたものにはなんだか、随筆とかエッセイを読んだ時のような、書いた人物の日常における気づきとか物の捉え方とか、表現の選び方とか、その人物の内面的な味わいを少しでも感じとることができるけど、同じ内容を言葉でしゃべったら、大して面白い話にはなってなくて、飲み会で話されても、どうコメントしたらいいかわからないレベルである。
ふんふん。こういうことができるから、私は文章に頼るのかとわかって、ひとり寝床で可笑しくなった。
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by zuzumiya | 2014-04-12 09:38 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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