暮らしのまなざし

一人でいるとはそういうことだ

最近、また詩を読むようになった。
大木実や天野忠の、夫が妻を想って書いたものばかり。
永瀬清子にも亡き夫を想って残した詩「黙っている人よ 藍色の靄よ」があった。
夜更けに小さくジャズをかけて、茶色く器用に丸まる猫の傍らで、ページをめくる。
著作権が邪魔をして、ここで私が読んだ詩を全文、紹介することはできない(全文載せて平気でいるブログは数々あれど)。著作権をクリアするために、私の評や感想などをダラダラ入れて、詩の世界を濁したくはない。詩は、詩というものだけは、そのまま、ぽんと手渡したい。だから、今日ここに詩の一篇も載せられないで、こんな話を書くのをおかしく思わないでほしい。

私は大事なものを壊した。
でも、もうすでに壊れていたのかもしれないとも思う。
すでに壊れていたものでもそのままにしておけば、壊れているかいないかも時に真剣に考え惑うことはあっても、ごまかすことができたはずだ。そういう力が日常にはあり、人は抗えずに流され、やがて「これでよかったのだ」と死んでいく。
壊した後にくるこの途方もない虚しさは、あの頃感じていた虚しさ以上だ。
ごまかしようがない。一人でいるとはそういうことだ。
若い頃、人の中にいる方が孤独に思えたが、そんなことは、人と違うことを、相容れないことを不安に思って、幼子がこっちを向いてとせがむような、ただの甘えであった。
人は人のなかにいて、どうしようもなくまた護られているものだと今は思える。
あのつまらない日常が護っていたもの。
剥がされて晒されたのは、生きるに足らない生彩を欠いたちっぽけな自分。
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by zuzumiya | 2014-03-02 00:13 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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