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エレカシの『あなたへ』に想いをよせて

a0158124_1347422.jpgエレカシの新曲『あなたへ』は、とにかく美しいメロディーに深い歌詞で、なにか取り憑かれたように何度も何度も繰り返し聞いている。聞くたびに、気づきがあって、またどんどん惹きつけられていく。
昨日も書いたが、聞いているうちに、心が慈愛に満ちて、澄んでいくような気がする。
「あなたへ」の「あなた」に特定な誰かをあてはめるなんていう想像は、野暮なことじゃないか。なにか、人知れず覚悟があって、自分をここまで生かしてくれたすべて(人やものや時間やすべて)に、この人生の在り方に、ただただ感謝していると聞こえる瞬間もある。
病床で、というのがもし本当ならば、ありあまる時間の中で、今までの生きてきた人生を一人でただゆっくり振り返ってみたからこそ生まれた作品なんだろう。耳がもしこのまま聞こえなくなって、使いものにならなくなるとしたら、いくらベートーベンをはじめ音楽家たちの逸話をもってしても、ぬぐいきれない不安があって、そうでなくてもいつだって自分のすべてを出し切りたい、まだまだだ、使い尽くして死にたいと願うように生きてきた人だから、その人生の不全感、悔しさや絶望は、今まで何度か味わってはきたものとは比べようもないくらい、計り知れない打撃となっただろう。
「シグナル」でどうせ道半ばに命を燃やすと歌って、頭では分かっていたはずのことが、ほんとうに人生の中途で我が身に起こってみれば、皮肉なことだけど、やはり冷静ではいられまい。
でも、その「シグナル」ですでに「その日まで咲き続ける花となれ」や「心の花咲かせる人であれよ」と花という言葉が出てきてもいる。きっとどんな人生を歩むことになっても、誰もが認める大きな仕事をやり遂げて何者かになっていなくても、ひとりの人間として、誰かの心にそっと寄り添い、癒せるような花のようなものに、自分はなっていたい、なれていればそれでいいと当時から思っていたのかもしれない。宮本浩次という男には「ドーンと行け!」と自分と周りを常に煽動し鼓舞する自分と、過剰なくらい繊細な弱さを持つ自分がいて、そんなちっぽけな(失礼!)自分をも決して否定せず、また嫌いでもない気がする。
ある時、振り返って、自分の思い描く歌い手としての人生がここで終わってしまうとしても、たとえ、清志郎のようにほんとうに生命の方が燃え尽きて死んでしまうとしても、自分の生きてきたすべてが音楽として結実して存在し、これからも存在し続け、ひとりでに誰かの未来に光となって届いていくんだってことの、運命の凄さにふと気がついたのかもしれない。いい時も悪い時も生きてきたすべてでもって作り上げたそれらひとつひとつが、花束となって、感謝とともに「あなた」という存在ひとりひとりに手渡され、「あなた」の生きていく命や人生を照らす何ものかになっていくその素晴らしさ、出逢いとして選び選ばれたことの喜びを噛み締めて、もしも、また歌える時が来たなら、真っ先にその気持ちを歌おうと心に決めていたんじゃないかと思った。それが『あなたへ』という覚悟の歌じゃないかと、今日は、感じた。


※追記(12月30日)
この歌はやっぱり、歌詞の持ってる懐の広さというか、解釈の仕方で、こう遥か末広がりに広がっていくところが凄いんだろうな。広く深く大きく愛を語ってるよね。
宮本浩次が自分を見つめて自分のことをまず歌っているんだけど、それだけじゃなくて、この世界でこの日常で生きているすべての人「あなた」に対して、その一人一人が生きてそれぞれの人生の山あり谷ありを一生懸命、日々、悩んで苦しんで戦って生きてきたことに対して、それらがすべてきっと他の誰か(大切な人だけじゃなく周りの誰彼にも)に笑顔をもたらす花になれているんだよと、歌ってくれている気もする。今日、介護施設で働いてたら、「みんなきれいな花だぜ」って思えたんだ。


※追記2(1月6日)
この曲は、私にとってエレカシのベスト1。人生で忘れられない一枚になりました。
と言っても、またこれからも素晴らしい曲を生み出して行くのでしょうね。





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Commented by zuzumiya at 2013-12-29 22:18
鍵つきコメント様。はじめまして。コメントをありがとうございます。最初の一文を読んですぐに涙が込み上げてきました。私の拙い文章でも、あなたと楽曲とを繋ぐきっかけになれたのかと思えて、ものすごくうれしかったです。ほんとうにこの歌を作ったときの心境は本人しかわかりませんが、「私はこう受け取りました」というメッセージを久々に、心をオープンにして、書き残しておきたかったんです。それくらい、背中を押される何かを感じました。そうですか、DVDは見ていませんが、白シャツにわざわざ着替えたんですか。私もその心理、わかる気がします。お身体のこと、ご家族のこと、打ち明けてくださり、ありがとうございます。いちばん大切な誰かにとって、その人とまず生きて出逢えたことに感謝して、これから先、どんなことがあってもその人が前を向いて歩いていけるように、慰め癒し、励ますそんな花のような人に、大げさでなく、正直な気持ちで、あなたも私もなりましょう!きっといつかそうなれる日が来ますよ。ありがとう。今日はあなたに救われた。
Commented by 雅樹 at 2015-12-20 08:48 x
この歌は、エレカシ再発見のきっかけになった歌です。何故、良かったか、上手く言葉に出来ないんですが、この文章は、僕の伝えたい事が、書いてあり、共感しました。先日、初ライブに行きましが、発売当初から大切に丁寧に歌ってきたと言って、歌い始めました。涙腺緩みました(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)名曲ですね。
Commented by zuzumiya at 2015-12-21 23:53
雅樹様、初めまして。コメントありがとうございます。いい歌ですよね。宮本さんも私も互いに中年に達し、歌詞もとても共感できるものを書いてくれていると改めて思って、そのことが私のようなちっぽけな人生をもどこか肯定的に捉えることができて、うれしくありがたく思っています。この同じ時代に一緒に生きている、そのことだけで幸せです。これからも応援していきましょうね。
Commented by 断腸亭くま at 2016-10-01 23:23 x
はじめまして。「エレカシとくまの断腸亭日象」というブログをやっている、くまと申します。

拝読し、涙ほろりでした。前の方もおっしゃっていますが、まさに私がこの曲を聴いて感じた気持ちを言葉にしていただいたかのやうでした。素晴らしいレビューをありがとうございました。
きっとまたこちらへお邪魔するかと思います。よろしくお願いします!
Commented by zuzumiya at 2016-10-05 13:22
断腸亭くま様、はじめまして。コメントを頂きありがとうございました。くま様のブログも拝見させて頂きました。心に芯が通る感じというのは本当にそうだと思います。私にもそう思えた時期がありました。エレカシの振れ幅は大きいので早くまた新曲を聞いてみたいです。


by zuzumiya | 2013-12-29 13:39 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(5)