花束の人

クリスマスのプレゼントにエレカシのCD『あなたへ』を貰った。
ようやく、ほんとうにようやく、聞くことができた。
「病床にいる時、着想を得た」と何かで読んだ気がするが、なるほどと思う詩的でどこか哲学的ですらある歌詞だった。ストリングスがまた美しい。自然と目を閉じて、やわらかに息を吸い込み、心がすうーっと澄んでいくような、なにか浄化されていくような、そんな遥かな心地がした。あきれるくらい、ほんとに純粋で繊細な人なんだなとあらためて思って、そのことが信じていたとおりで、しみじみとうれしくて微笑んだ。
聞いているうちに、これは勇敢なる覚悟の歌だと思えてきて、愛しい男がこんなにも「あなた」という誰かに向かってはっきりと正々堂々、祈るようにその切実な想いを歌っているのに、他のどの歌の時よりもその清らかな歌詞のせいで、むやみやたらに切なくも哀しくもなく、かえって純粋な美しさは増して、何度も聞いているうちに、いつしか私自身のなかにも同じバイブレーションが流れて、同じ覚悟が生まれた。
人を欲し、人を愛そうという覚悟。前だけを向き、もう一度、まっすぐ向き合おうという覚悟。
覚悟というのは、諸刃の剣。自ら深く傷つくことも同時に引き受けなければならない。

「すべてあなたへ すべてあなたへ
ぜんぶぜんぶ わたしの生命は繋がっているのです」

「あなたを愛して わたしを愛して
 ぜんぶぜんぶ すべてはあなたとわたしから始まる」

迷いの欠片もなく、強く高らかに歌われて、「何があっても、もういいや」と思えた。
宮本浩次の愛の歌を聞いて、ジェラシーや寂しさの雑念が心をよぎることなく、我が身の愛に素直に置き換えて、真摯な歌声に背中をぐっと押されるなんてこと、初めての経験だった。

「わたしの日々 わたしの努力
 わたしの希望 わたしの全部
いつしかあなたを彩る花束になるのです」 

いい時も悪い時も、生きてきた道のりのすべてでもって、今の自分は作られ存在し、大切な誰かにそっとやわらかな微笑みをもたらせるような、誰かの生を心から祝福したくなるような、そんな花束の人に、私もみんなも、いつかなれますように。

※「 」内は歌詞です。
2012年12月17日の記事「統合されていく力」も併せて読んで頂けるとうれしいです。

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by zuzumiya | 2013-12-28 12:11 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)
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