西荻窪「雨と休日」のCD
お金を使うとしたら、私の場合は本とCDぐらいしかない。安上がりな女なのである。
本は最近では酒井順子の『下に見る人』が面白かった。彼女自身、この本に書いてあるとおり、“下に見る人であり、下に見られたくない人”だという。そうはっきりと書くわりに、読んでいてまるで不快にならない上手な書き方をしていた。次に読むのは買ったきり積んどく本になってしまっている小川洋子の『ことり』か。本にはこちらの心が静かな時じゃなきゃ読めないようなものがある。特にこの『ことり』はその手の本じゃないだろうかと装丁からして思わせる。村上春樹の新作はタイトルが息子の名前と同じなので、彼が買って先に読んでいる。非常に気になっている。
本に飽きて、何かいいCDでも買おうとネットをうろうろしていたら、以前、雑誌ブルータスの“メロウな音楽特集”で載っていた西荻窪のお店「雨と休日」がネットショップをやっていて、注文できるとわかって興奮した。西荻窪はさほど遠くはないのだが、行くのが面倒でAmazonで注文しようと思っていた。買いたいCDがいくつもある。
私は昔、クウネルを買っていた頃、音楽の紹介ページをいちばん楽しみにしていた。センスの良さそうなCDばかりが紹介されていて、特に自分が好きなアーティストがおすすめ役として登場した時は、ピックアップしたものから必ずいくつか注文した。するとやっぱり、文句なくアタリなのである。あのページだけはほんとに信頼が置けて、ありがたかった。切り抜いて今でもとってあるが、“クウネルの本”としていつかまとめられて出版されたら必ず買おうと思っている。
話はずれたが、この「雨と休日」(ネーミングがもう既に私好み!)の紹介しているラインナップも聞いてみたいものばかりで、信頼できそうなのがすぐにわかった。「音楽についてはここに任せておけばまず間違いはない」って感じで、心強い味方を得た喜びがある。店ごとぜーんぶ買いたいぐらいだ。
ただ、音楽は私にとってはBGM的なもので、空気、アトモスフェアに過ぎない。心地よい音楽に包まれて、何か考え事をしたり、ものを見たり、それによって何か書いたりすることの方が実は重要なのだ。音楽だけを聴き込む、ということは少数のアーティストを除いてあんまりない。だからときどき、はっと気づく。こんなにCDばかり買いあさっても仕方がないんじゃないか、と。特に私はピアノやギターやチェロなど弦楽器が好きで、とにかく静かなものが好き。ジャズであってもボサノバであってもクラシックであってもイージーリスニングであってもいい。似たようなCDをこれ以上増やしてもなぁ、と考えると、すぐに熱は冷めて、買うのに及び腰になってくる。するとまたあの石川啄木が顔を出す。
「ほんとにそれ、どうしても買わなきゃダメ?」
もうさっきのあの、人生において無二の親友を得たようなうれしい勢いがなくなってきている。あ~あ、どうしようかな。
本は最近では酒井順子の『下に見る人』が面白かった。彼女自身、この本に書いてあるとおり、“下に見る人であり、下に見られたくない人”だという。そうはっきりと書くわりに、読んでいてまるで不快にならない上手な書き方をしていた。次に読むのは買ったきり積んどく本になってしまっている小川洋子の『ことり』か。本にはこちらの心が静かな時じゃなきゃ読めないようなものがある。特にこの『ことり』はその手の本じゃないだろうかと装丁からして思わせる。村上春樹の新作はタイトルが息子の名前と同じなので、彼が買って先に読んでいる。非常に気になっている。
本に飽きて、何かいいCDでも買おうとネットをうろうろしていたら、以前、雑誌ブルータスの“メロウな音楽特集”で載っていた西荻窪のお店「雨と休日」がネットショップをやっていて、注文できるとわかって興奮した。西荻窪はさほど遠くはないのだが、行くのが面倒でAmazonで注文しようと思っていた。買いたいCDがいくつもある。
私は昔、クウネルを買っていた頃、音楽の紹介ページをいちばん楽しみにしていた。センスの良さそうなCDばかりが紹介されていて、特に自分が好きなアーティストがおすすめ役として登場した時は、ピックアップしたものから必ずいくつか注文した。するとやっぱり、文句なくアタリなのである。あのページだけはほんとに信頼が置けて、ありがたかった。切り抜いて今でもとってあるが、“クウネルの本”としていつかまとめられて出版されたら必ず買おうと思っている。
話はずれたが、この「雨と休日」(ネーミングがもう既に私好み!)の紹介しているラインナップも聞いてみたいものばかりで、信頼できそうなのがすぐにわかった。「音楽についてはここに任せておけばまず間違いはない」って感じで、心強い味方を得た喜びがある。店ごとぜーんぶ買いたいぐらいだ。
ただ、音楽は私にとってはBGM的なもので、空気、アトモスフェアに過ぎない。心地よい音楽に包まれて、何か考え事をしたり、ものを見たり、それによって何か書いたりすることの方が実は重要なのだ。音楽だけを聴き込む、ということは少数のアーティストを除いてあんまりない。だからときどき、はっと気づく。こんなにCDばかり買いあさっても仕方がないんじゃないか、と。特に私はピアノやギターやチェロなど弦楽器が好きで、とにかく静かなものが好き。ジャズであってもボサノバであってもクラシックであってもイージーリスニングであってもいい。似たようなCDをこれ以上増やしてもなぁ、と考えると、すぐに熱は冷めて、買うのに及び腰になってくる。するとまたあの石川啄木が顔を出す。
「ほんとにそれ、どうしても買わなきゃダメ?」
もうさっきのあの、人生において無二の親友を得たようなうれしい勢いがなくなってきている。あ~あ、どうしようかな。
by zuzumiya
| 2013-04-18 23:02
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by zuzumiya
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