助けてくれてありがとう。

1階のカウンターより、事務室より、児童室にいるときがいちばんホッとする。
その理由はわかってる。
子どもたちは暑くたって文句言わないし、ちょっと待たせても嫌な顔ひとつしないし、高飛車じゃない。何より自分で選んだ本をヨイショヨイショと持って来て、カウンターで自分のカードを出して、「おねがいしましゅ」って言えて、ピッしてもらうのが、ほんとにほんとに誇らしくてうれしいんだってことが伝わってきて、にんまりくる。
そういうの見ると「ああ、子どもって救いだよな」って思う。
「○○ちゃん、今日は本借りてくの?」と何気なく母親が聞くと、「うん、本借りたいの」って遠くで答えたりして、そんな会話を耳にすると思わず笑みが出て、「そうかそうか、本が好きなんだねえ。いっぱい借りて行きなよね」って、気持ちが優しくなれる。
毎日、街道沿いに立ってるお地蔵さん2体に「今日もよろしくお願いします」って心のなかで手を合わせているせいか、子どもで嫌な目にあったことがないし、人見知りもされないし、すぐに懐かれるし、ほんとに救われてて、そのことにとても感謝してる。
助けてくれて、救ってくれてありがとうって、気持ちでいつもいる。
「本をあったところに戻して来なさい!」
「大きな声で喋らないの!」
「靴はそこで履いちゃダメでしょ!」
「階段あるから、一人で先に行かないの!」
「自分の荷物は自分で持ちなさい!」
そんなお母さんの叱責を聞きながら、今日思った。
私にとっては子どもたちはこんなにも「癒しや救いの存在」なのに、今あのお母さんにとってはただひたすらに「疲れる存在」なんだろうなあ。その違いが不思議だなあって。お母さんの手をとって言ってあげたかった。
「あのね、私、あなたのお子さんがどう騒ごうと、本をあったところに戻さなくたって、とんでもないところで靴を履いちゃったとしても、たとえ、おもらしされたとしても、それでもあなたのお子さんにこんなにも優しい気持ちにさせてもらって、見ているだけで救われてるんですよ。とてもありがたいんですよ」って。
「だから?」とか「何言ってんの?この人」ってキョトンとされそうだけど、うまく言えないけど、「お母さん、躾より何より大事なこと忘れてない?」って気がするの。
こんなふうに思えるのはまさしく今だからなんだろう。
たしかに自分の子育て中も保育士の仕事のときにも、忙しさや「○○しなければならぬ」という妙な切迫感があったけど、同じ子どもが片方の人には癒しの天使になってて、片方の人にはチビッコ悪魔になってるなんて、やっぱりヘンなんだよ。
「そこに生きているだけで、動いて笑ってるだけで、もうじゅうぶん眩しいほどにいいよなあ」って気持ち、幸福感。お母さんは忙しすぎて、どこかに置いて来ちゃったんだろうな。
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by zuzumiya | 2011-09-13 22:44 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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