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「もう、家へ帰ろう」

「もう、家へ帰ろう」_a0158124_22214673.jpg「もう、家へ帰ろう」_a0158124_22223273.jpgさっき、なにげにRO69のサイトを見ていたら、なんと私の大好きな写真集『もう、家に帰ろう』の続編『もう、家に帰ろう2』が出版されていることがわかり、思わず声をあげた。これは即、買いである。
『もう、家に帰ろう』は写真家の藤代冥砂さんがモデルの田辺あゆみさんと結婚して、日常生活のなかの愛らしい妻の姿をほんとに自然体に撮っているもので、人んちの夫婦のスナップ写真、というより妻の写真なのに、見ていてこちらがもう非常に幸せな気分になる。なんていうか、田辺さんの見せる表情に女の私までもが「愛おしいよなあ」と思って微笑んでしまうのだ。写真のその一枚一枚はまさに藤代さんがファインダーごしに見つめている彼女であって、好きな人のこの愛おしいまぶしい一瞬を収めたい、永遠に留めたい、そんな気持ちがあふれているのがわかる。ページ一枚一枚が藤代さんの妻を見つめる温かなまなざしなのだ。そしてもちろん、田辺さんも愛しい人とともに過ごすあたりまえで幸福な時間をこのうえなくリラックスして生きている。そういうふたりの醸し出すゆるりとした空気が写真によく出ている。RO69のサイトの宣伝には「結婚したくなる写真集」と書かれていたが、ほんとにそうだろう。
私が写真家が自分の家族や恋人を撮った写真が好きなのは、たとえ、ケンカして拗ねたり、泣きべその表情を撮っていても「世界でいちばん大事なキミ、大好きなキミ」とカメラが、すなわち写真家の目が正直にそう語ってしまっているからだ。被写体がどうのこうのより、テクニックがどうのこうのより、写真家の心のうちがいちばんよく現れてしまう、嘘がつけない写真のような気がするからだ。「目はものを言う」というが、言葉なんかを越えて幸福なほんとの心持ちが滲み出てしまうからだ。そこが伝わってくるから、「ああ、いいなあ」と好きなんだろう。被写体の妻や家族に写真家と一緒になって「愛」を感じてしまうのだ。そう感じさせる写真が撮れているということなのだ。いちばん愛おしいものをこのうえなく愛おしく大切に撮れない写真家なんてダメだよな、なんて生意気にも思う。龍之介くんが生まれてからの続編もきっと素晴らしいものだろう。楽しみだ。
by zuzumiya | 2011-07-12 22:24 | わたしのお気に入り | Comments(0)
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