『はやくはやくっていわないで』

家でひと仕事終えた夜遅く、遠くの空で稲光がしたと思ったら、シャーと音を立てて雨が降り出しました。いいですねえ、雨の音。
休日の朝、ベッドで聞く気怠い雨の音も好きだけど、夜の雨の音も落ち着いていて好き。水の匂いのする涼やかな風が入ってきました。
ああ、ようやく自分の時間がとれた。今、そんなゆったりした気持ちになっています。

a0158124_0565880.jpg私の大好きな、イラストレーターでエッセイストの益田ミリちゃんが、絵本を作りました。でも、絵はミリちゃんでなく、平澤一平さんという方が描いています。
『はやくはやくっていわないで』。ミリちゃんゆかりのミシマ社からです。ミリちゃんらしい、とても素直で心やさしくなれる絵本です。

小さな船が「はやくはやくっていわないで」と進んでいきます。
「ひとつひとつじゅんばんちがう」
「ひとつひとつおおきさちがう」
「ひとつひとつできることちがう」
「ひとつひとつじかんがちがう」
             「くらべられるとどきどきする」
             「どうしてできないの?ってきかないで」
             「わからないこといっぱいある」
             「いえないきもちいっぱいある」
             だから「はやくはやくっていわないで」…。
でも、最後には「ゆっくりいくよ ゆっくりおいで」「まっててくれる? まってるよ」と微笑ましく終わります。

a0158124_135039.jpgこの絵本に出会う前に、ミリちゃんの『前進する日もしない日も』というエッセイを読んでいました。その中に買い物で見かけたお母さんと女の子の話が書いてあります。
「早く早く!どうしていつもそうなの!」
イライラしたお母さんが女の子の腕を引っ張ると「痛い、骨が折れちゃうよ」と叫びました。「うるさい、折れればいいでしょ」お母さんはそう言い放って、どんどん先へ歩いて行ってしまったそうです。ミリちゃんは、八つ当たりされても必死で後を追うしかない女の子に走りよって「本当に骨が折れればいいなんて思ってるんじゃないからね。お母さんはイライラしてるだけだからね」と言ってやりたかったと書いていました。
他にも、幼稚園から小学校1、2年ぐらいまではみんなと同じことがなかなかできなかったミリちゃんは、街で新一年生を見かけるたび「ゆっくりね」と応援したくなるとも書いています。

そんなミリちゃんだから、「すーちゃん」シリーズをはじめ、たくさんの著作のなかで「自己肯定の大切さ」をミリちゃんらしい「真面目」で「素直」に「ゆるやか」に教えてくれているのです。子供だけじゃなく、大人も読めば、心穏やかになって、そうだよねって癒されること間違いなしの絵本です。

※余談ですが、益田ミリちゃんはかなりのエレカシのファンらしいです。エッセイにちらほら名前がでてきてびっくり! うれしいです。
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by zuzumiya | 2011-07-05 01:09 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)
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