暮らしのまなざし

いい年のとりかた

駅へ向かう自転車道は通勤通学の人々とウォーキングやジョギングの人々とが行き交い、毎朝賑わいます。途中の休憩所にはベンチがあり、今の季節、その真上に純白の藤が幾重にも垂れています。ある朝、その美しい淡い花の垂れ幕を三脚を立てて熱心に写真におさめている老婦人に出会いました。少しはなれた向こうからは「ねえ、こっちの雫もすごく素敵よ」と仲間が呼ぶ声がします。その声につられて見てみると、山吹の葉に浮いた雨の雫が朝日に照らされてキラキラといちめん銀色に輝いています。思わず、顔がほころびました。先日も図書館のカウンターで、ある老婦人がルノワールやモネらの印象派の画集を数冊置いて「この年になるときれいなものしか見たくないのよ」と苦笑するので、「いいじゃないですか、素晴らしいことですよ」と相づちを打ちました。純白に輝く藤や雫の芸術に心奪われた老婦人も重たい想いをしてまでも美しい画集を借りて行く老婦人も、三人ともいい年のとりかたをしているなぁとうれしくなります。
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by zuzumiya | 2011-05-11 06:40 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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