暮らしのまなざし

「悪気はないと思うんだけど」で許してしまっていいのか

たとえば「こんなキツイことを○○さんに言われたんです」と人に相談されたとき、相談を受けたほとんどの人がたぶん「相手には悪気がないと思うんだけど」と答えるんじゃないかと思う。相談された人はそのやりとりの現場に自分がいなかったから、あるいは、一方から話を聞いただけでその相手のことを悪くは言えないから、一応どちらの味方にもつかずにひとまず話を聞いて、できれば目の前の人の気持ちをうまくおさめられればと思ってそう言うのかもしれない。でも、「悪気はないと思うんだけど」と言ってしまうのは実は単なる自己防衛、ええかっこしいでないかと私は思う。厳密に言えば「悪気があるかどうかは私にはわからないけど」と言うべきだ。なぜなら、人の本音は誰にもわからないから。そして、こういう言葉で相談事にワンクッション置きたがる人にもう一度考えてほしいのは、「悪気がぜんぜんない」ということこそ、実はいちばん「許されざるべきこと」だということだ。悪気があるなら話はむしろ早い、悪気があるんだから。でも、いちばん困るのは悪気がないのにそういう嫌みったらしい、皮肉めいた、キツイ表現を平気でしてしまうということである。これはまったくデリカシーがないとしか言いようがないと思う。そしてデリカシーがない人のことを、なぜ多くの人が「悪気はないと思うんだけど」と庇うような発言をして流してしまうのかが私にはわからない。もし、ほんとに悪気がないのにそんな嫌みな発言をしているのならば、それは「言葉の使い方が大いに間違っている」と即刻、注意やアドバイスをする必要がある。そういう大事なことをよく考えもせず、その場しのぎ的に「悪気はないと思うんだけど」をさも優しげにサラリと言うのは不実である。そして、私はそういう発言を耳にするたびに「こいつ、親身になってるフリだけしてるな」「何にもわかっちゃいないな」と必ずがっくりくる。悪気があってキツイこと言うことより罪深いのは、悪気がなくてキツイこと言うことだということを忘れてはならない。悪気がないとしたら、ほんとに由々しき問題なのである。
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by zuzumiya | 2011-04-12 22:58 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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