暮らしのまなざし

旅人はつねに上を向いている

ふと空を見上げたら、月が出ていました。そして、月のそばにはきら星が。明日が休みのせいもあって、心に少しだけゆとりができたのでしょう。微笑みながら月と星とを見上げて歩きました。朝日新聞の「定義集」で大江健三郎さんは以前、こんなことを書いています。<『神曲』三篇すべての終わりの単語が星stelleであるのは、旅をする者がつねに上を向いている姿勢の強調で、ダンテは実人生でもそうあれ、と読み手に熱心に勧めている(exhortしている)>これを読んだ時、瞬時にそうかと思いました。「旅をする者がつねに上を向いている」なんと希望のある言葉でしょう。まったくそのとおりです。旅の途中で時に道に彷徨いさすらいもするけれど、夜空の星を見上げては自分の位置や進むべき方角を知る。旅人の目は旅を続けるため、生きていくためには常に上を向く必要があるのです。彷徨いながらも俯く顔を上げ、空に希望を探す旅人。私たちもきっとそんな旅人だと思うのです。かつて「同じ星を見ている」と歌ってくれた人のその想いが今ようやくわかった気がしました。
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by zuzumiya | 2011-02-14 00:26 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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