暮らしのまなざし

空の写真

検査が終わって病院の玄関を出たら、
ビルの向こうに鮮やかな夕焼けが広がっていた。
先日、離れて暮らす息子のブログを覗くと、
雲間から陽射しの光がうすく放射状に伸びているきれいな写真を見つけた。
他にも何枚か空の写真が載せてあった。
息子は写真が趣味で、テーマは昔から光であることが多い。
コメント欄には亡くなられた中村ハルコさんの写真集『光の音』を見るようにと残した。
「空の写真は誰でもそれなりに上手く撮れるもの」と言われている。
けれど、こういう清々しい澄んだ瞬間を逃さず撮れたのも、
彼が日頃から世界を注意深く見ているからだと感心した。
でも、ふと、ほんとにそれだけなのだろうかと想いが過った。
人が空を見上げる時とはどんな時だろう。
今の私のように、どこかホッとしてゆったりとした気分の時。
あるいは逆に「あーあ」と思わず口走ってしまうような落ち込んでいる気分の時。
大雑把に考えても、うれしい時と悩ましい時の両極端しかないような気がする。
息子はこの空の写真を撮る前に、ひとりで道を歩きながら、
果たしてどんな気持ちで空を見上げていたのだろう。
できれば、うれしい方の気持ちであってほしいと親心がうずく。
空の写真は見る者に清々しさを与えてくれるが、
同時に撮る側の心の内までこんなふうに想像させもする。
どちらの心も透けさせてしまう魔力があるのだろう。
息子の空の写真を見た時、瞬時に明るい希望を感じた。
シャッターを切って、満足げに微笑む息子の顔が見える。
彼の心の内にもあの光のような希望が宿ってありますように。
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by zuzumiya | 2011-01-31 00:05 | 日々のいろいろ | Trackback | Comments(0)
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