石鹸の清楚な香り

他人の庭の景色を我がものに眺めて楽しむことを「借景」ともいうけれど、我が家はさしずめ「借香」をさせてもらっています。お隣のおばあさんの使う柔軟剤が強すぎて、我が家の洗濯物にまで花の香りが沁み込むほど流れてくるのです。先日、娘が「色が白くなるらしい」という噂で昔懐かしい浴用石鹸を買ってきました。石鹸は子供の頃以来ですが、泡立ちもよく、きめ細やかな泡が肌に滑らかです。何よりいいなと思ったのは、その控えめな香り。ボディシャンプーが南国の大輪の花の香りだとすると、石鹸は日陰の沈丁花のような奥深さがあります。ちょうど昔の白粉や匂い袋やクリームや天花粉のような、どことなくうら淋しいほのかな香りです。石鹸を使ってみて「最近の液剤ってみんな香りが強すぎるのかも」と感じました。体臭を気にしすぎたり、香りで癒されたりする最近の傾向でしょうが、嗅覚も知らず知らずに強め濃いめに慣らされてしまうものかもしれません。やわらかで、あるかなきかのほのかな香りの文化、失くなっていくのでしょうか。
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by zuzumiya | 2011-01-03 13:24 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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