暮らしのまなざし

秋の日のアントニー

a0158124_133538100.jpg肌寒い曇りの朝に、ひとり珈琲を飲みながら、久々にアントニー&ザ・ジョンソンズを聴いていた。持ってるアルバムは2ndの『I am a bird Now』だけなんだけれど、たしか最初の曲「Hope There's Someone」が私の好きな映画監督のイザベル・コイシェが『あなたになら言える秘密のこと』に使っている。素晴らしい選曲センスにいつも惚れ惚れする監督。内容もいいのでどうぞ。
話が逸れたけれど、「Hope~」はとてもいい曲なんだけれど、途中からピアノの連打になって激しく高まっていくあそこがどうしてもなぜか「怖くなって」(この「怖くなって」がわかってくれる?)私は引けちゃうところで、ピアノと一緒に静かにいつまでも波のように揺れて、たゆたって歌っていてほしいタイプなんです、個人的には。
他にも1曲のなかで途中から激しく高揚していくタイプの曲が多々あります。アントニーの魂がどうしても呼び込んでしまうんでしょうか、ドラマティックな壮大な広がりを、まるで祈りのように。「そこがアントニーの良さなんじゃない!」と言われるとそうなのかもしれませんが、ピアノとストリングスだけで両性具有の美しいファルセットヴォイスで静かに熱く、時に痛々しくレクイエムを歌うようなパターンが好きな私は、どちらかと言うと8曲目のデヴェンドラ・バンハートとの「Spiralling」や最後の「Bird Gurhl」が好き。
今日みたいなどことなくもの哀しい秋の日には特に「Bird Gurhl」の始まりのピアノはものすごく素敵。引き継いでいくストリングスも落ち着きます。エンドレスで何度聴いても、この秋の深まっていく静かな雰囲気を何一つ壊さず、飽きてもこない。始まりも美しければ終わりもまたすこぶる美しい。これは寝る前の「大人のための子守歌」にいいです。6曲目の「What Can I Do?」で歌ってるルーファス・ウェインライトの淡々とした気怠い声も好きで、もっと聴いてみたいと思う。ルー・リードもボーイ・ジョージも参加してる。アルバムジャケットはアントニーではなく、ウォーホールの映画にも出ていた女装の麗人、キャンディ・ダーリング。揃いも揃ってという感じ。「Candy Darling On Her Deathbed」という写真のタイトル(エイズで亡くなったピーター・ヒュージャーが撮影)がまたいい。
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by zuzumiya | 2010-10-31 13:38 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)
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