あの鳥のように
朝早く目が覚めて、蒲団のなかで本を読みだしたら、ふと外で鳥が鳴いているのに気づいた。一羽だけの、まっすぐ飛んでいく矢のようにきれいに澄んだ声。頭のなかで、どこか鉄塔か何か高いところに止まっている小さな鳥が、空に向かって嘴を上げ、身を震わせ、高らかに鳴いている、そんな画が見えてくる。
「あれは鳥の領空支配の声だ」と誰かに教えられて、「そんな味気ないつまらないことを言うな」と嘆いたのは山男の辻まことだったか。
彼はそれをつまらないことと思ったが、今朝の私はなんだかそうは思わない。
始まったばかりのまっさらの朝に「ここに自分がいる、ここが自分の居場所だ」と堂々と懸命に主張している小さな鳥。なにかとてもすがすがしく、崇高な気がする。
たとえ、ただのちっぽけな縄張り意識、自己の存在の主張だとしても、あんなに澄んだきれいな声で、聞いている私の耳を今喜ばせて幸福な気分にさせているのなら、それはもうとてつもなく立派なこと、素晴らしい奇蹟だ。
あの鳥のように、自分というものを、伝えられないものか。
「あれは鳥の領空支配の声だ」と誰かに教えられて、「そんな味気ないつまらないことを言うな」と嘆いたのは山男の辻まことだったか。
彼はそれをつまらないことと思ったが、今朝の私はなんだかそうは思わない。
始まったばかりのまっさらの朝に「ここに自分がいる、ここが自分の居場所だ」と堂々と懸命に主張している小さな鳥。なにかとてもすがすがしく、崇高な気がする。
たとえ、ただのちっぽけな縄張り意識、自己の存在の主張だとしても、あんなに澄んだきれいな声で、聞いている私の耳を今喜ばせて幸福な気分にさせているのなら、それはもうとてつもなく立派なこと、素晴らしい奇蹟だ。
あの鳥のように、自分というものを、伝えられないものか。
by zuzumiya
| 2010-10-25 18:33
| 日々のいろいろ
|
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by zuzumiya
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