暮らしのまなざし

何のために、何を目標にその仕事をしているか

仕事で本の分類をすることがあります。
図書館に行くと本の背表紙の下に小さなシールが貼ってあるのを知っていますか。3桁あるいは「289.1」のように小数点をつけた数字と著者の頭文字たとえば、赤川次郎なら「ア」とカタカナが書かれてあると思います。小学校は簡略的に2桁、中学校はNDC(日本十進分類法)に基づいて3桁までにするのですが、中学校によっては手入れがされていず2桁のままになっているところがあり、それを3桁に直す仕事をするのです。
本の奥付にNDCが印刷されていない場合がほとんどで、内容から分類を推察していくのですが、これがなかなか厄介なのです。司書免許もない、まったくの素人集団なので、本によってはエッセイの分類番号の「914」にすべきか、手記の「915」とすべきかと細かく悩んでしまいます。それらはまだ同じ文学「9類」の棚の内なのでさほど大きな違いもないのですが、社会科学の「3類」の棚にも人生論や生き方についての本が分類されてあります。すなわち、こちらの分類の仕方で本の収まる棚が変わってきてしまうので神経を遣うのです。
たとえば、芭蕉の『奥の細道』にそって、現代のそれらの土地を巡る紀行文の本があります。NDCは「紀行文」としての「915」が印刷されてきています。でも、芭蕉の俳句が並んでいる詩歌のジャンルは「911」で棚が離れてしまいます。こういう場合、一緒に働いている図書館員さんと相談します。その話のなかで、ああと納得したことがありました。

「どちらの棚に置けば、より子供の目に触れて、手に取って貰えるかということなんですよね」

目からウロコが落ちた瞬間でした。結局、その本は印刷されているNDCとは違ってしまい正確ではないのでしょうが、「911」の分類をされ、芭蕉の俳句と一緒に棚に並べられました。
時として、自分の仕事の目的が何だったのか、何を目標にして今頑張って動いているのかを見失ったり、忘れてしまうことがあります。頑張るばかりに、木を見て森を見ないことが往々にしてあるものです。
時間のここからここまでしっかり力の出し惜しみなく仕事をする、指示されて求められていることをその通りにきちんとこなして仕上げる、それだけでもじゅうぶん真面目に仕事をして、誰かを助けていることになります。
でも、きっともっと大きな視点、それからほんとうは何のためにこれをしているのか、というもともとの視点を時には立ち止まって、点検してから仕事にかかると、今している仕事の意味や意義がはっきりと捉えられてきます。ぱっと道が開けて来たりします。迷うことも少なくなって、モチベーションもあがってきます。
一人のなかだけではなく、一緒に働く皆でときどきは原点にもどる、そんな瞬間を共有して進んでいけたらいいのだと思います。
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by zuzumiya | 2010-10-18 09:07 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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