暮らしのまなざし

題詠にしない精神

最近の感動から。鷹羽狩行先生の『季節の心』という本の中に「新年句」についての話があります。それぞれの俳句誌の年末の締め切りが11月下旬なために新年句が集まらないのは「題詠にならざるをえず、年内に新年句を作るのは、頭の中や机の上で作り上げるもので、客観写生の大道に背くとされるからではないか」とあります。以前、どこかで「子規が頭の中で作った俳句を『月並調』として否定し、写生を提唱しはじめた」というのも読んだ憶えがあります。対象を実際に見て、その時の五感と素の自分とで対象に対峙する、それをなくしてはものの本質に迫れないという信念が俳句の世界の「吟行」に貫かれているのでしょう。たった17文字の、しかも季語で4、5文字は使われてしまう、切字もある、そんなルールだらけの俳句ですが、さらに質を落とさぬように「客観写生」を徹底しているというのです。茶道にも似たその精神の潔癖さには衿を正す思いになります。

(今からできること)
※俳句に関する本を読んでみませんか。必ずひとつやふたつ、好きな句に巡り会うでしょ う。句を読むだけでも自分のなかの季節感、人間観が深まります。
※俳句の「題詠にしない精神」は頭の片隅に入れておきましょう。ネット全盛の世の中に あって、重い腰の私たちをなんだか諌めているようです。
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by zuzumiya | 2010-06-24 11:44 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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