時には種や球根から花を育ててみましょう

図書館へ向かう道すがら住宅街を散歩していたら、珍しいお宅を発見しました。玄関脇からぐるりと庭を取り巻いて、夥しい数の球根が植わっているらしく、そのどれもが短剣のようなさみどりの葉を指四本分ほど地表に覗かせています。おそらくチューリップの芽だと思いますが、おかげで庭はやんわりと青みがかり、空気が濃く清く感じました。花が咲き揃ったらさぞや壮観だろうと想像しましたが、花が咲いた時よりもむしろ発芽の今の方が春の生気に満ちているように感じました。どこよりも今このお宅が春を享受している、そう思いました。その夜、たまたま読んだ幸田文さんの随筆に『立春』という小編があり、地中の蕗の薹の青をすでに地表の土に見て取った画家小倉遊亀さんの眼力を賞讃されていて、昼間見たこととも相まって、文章をより新鮮に感じました。緑の指がない私もあの庭の清々しい青を見てからは、是非、種や球根から花を育ててみたいと憧れ始めています。
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by zuzumiya | 2010-03-06 10:19 | 日々のことづけ | Trackback | Comments(0)
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