自信を持つ権利 

a0158124_10405176.jpg大好きな松浦弥太郎さんのエッセイ、『軽くなる生き方』。
弥太郎さんは『暮らしの手帖』の編集長で古本屋さん「COW BOOKS」の代表。文章を書くということにとても真摯で誠実な人。嘘は書かない。それがひしひしと伝わってくるから、読んでいてとても安心できるし、この人なら大丈夫だと信頼できる。
人柄がとても文章に滲み出ていて、読んでいるだけで彼の存在を感じられ、目の前で彼の話を聞いているような、そんな不思議なつながりを感じて、温かい気持ちになる。
『くちぶえサンドイッチ』にあったような、日常雑感的な何気ないエッセイから彼の本質的な良さを見つけるのも好きなのだけれど、彼は「エッセイは何より実用であるべき」という人で、「人の役に立てる文章でありたい」と願う人だから、今作はまさに彼の考える、いまの彼の提案できる「生き方の実用書」だったと思う。
彼の生きてきた人生から、重ねてきた毎日の生活から「僕はこんなふうに思うんだけど…」という具体的な提案がいくつもあって(この「具体的であること」はとても大切だ)、そのいちいちにうなづけた。
なかでもうれしかったのは、40歳までは自分を作り上げるための「貯金」の時期で、40歳からはこれまで作り上げた人生や貯めてきた経験という「資産」の運用を考える時期だというところで、

<40年という時間が共通であれば、誰だってたいした差はないというのが、僕が立てた仮説だ>

としながら、

<人生の資産は、苦労や努力の量で決まるのではない。ある程度の時間を過ごせば、誰だってなにかしら得ているはずだ。それに気づいていないだけだ。
「40年、生きてきた自分には『目に見えない資産』がある」
40歳の誕生日が来たら、自分にそう言い聞かせ、自信をもつ権利があるーこのところ僕はそんな気がしている。>

と書かれていたこと。
特に「自信を持つ権利がある」という表現には、多くの読者が励まされることだろう。この人の良さは、この分け隔てのなさにあって、トップに立って多くのことを成し遂げているにもかかわらず、自分は決して特別じゃない、読者のあなたといつでも同じところでつまづき、考え、幸福をもとめて暮らしているんです、というスタンスを心しているところ。心の育ちの健やかさがあり、上品な人だと思う。
いちばん掛けてもらいたい言葉を、正直で誠実だと信じている人から、ぽんっと掛けてもらった気がしてうれしい。また頑張れそうだ。
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by zuzumiya | 2010-03-03 10:42 | わたしのお気に入り | Trackback | Comments(0)
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